今回読んだ本はこちら。先日読んだ「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズの2巻目です。
このシリーズは、謎解きの短編推理小説的でありつつ、どの作品もある本が題材となっているのが特徴です。
第2巻の構成はこちら。
第一話 アントニイ・バージェス「時計じかけのオレンジ」(ハヤカワ文庫NV)
第二話 福田定一「名言随筆 サラリーマン」(六月社)
第三話 足塚不二雄「UTOPIA 最後の世界大戦」(鶴書房)
プロローグでは、坂口三千代「クラクラ日記」(文藝春秋)が登場。プロローグなので話は完結しません。しかしこの本と登場人物の絡みがこの後の話につながっていく大切な前フリです(^^)
第一話ではアントニイ・バージェス「時計じかけのオレンジ」(ハヤカワ文庫NV)が登場。この本、どうもストーリーがちょっとユニークらしい。普段気にかけない本の特徴をヒントに篠川栞子が見事に絡んだ謎の紐をほどいていきます。
第二話では福田定一「名言随筆 サラリーマン」(六月社)。この作者福田定一、実は超有名な小説家の本名なんだそうです(^^) それが一つのきっかけになり、なかなか交わらなかった親娘の気持ちに変化が生まれます。そして、語り部でもある五浦大輔のほろ苦い青春の一ページがいいアクセントです。
第三話では足塚不二雄「UTOPIA 最後の世界大戦」(鶴書房)。この足塚不二雄も実は超有名な漫画家の使っていたペンネーム。この作者にまつわるある親子のストーリー、そしてその親子に篠川栞子の母が関わっているという。
エピローグで再び坂口三千代「クラクラ日記」(文藝春秋)が登場し、第三話からの流れをうけて、篠川栞子の母のことが少し明らかになってきます。
このように短編小説でありながら、時系列でつながっているところもあり、シリーズ通じての長編小説的要素もあって、短編、長編両方の要素を楽しめます。
今回も一気に読んでしまいました。