48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

Bittersweet

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ホワイトボードに残されたメッセージ。

 

およそ1ヶ月に渡って滞在したアメリカ人Tさんからのメッセージです。

 

今朝帰国の途につきました。

 

元々はここの住人であったドイツ人の友人でゲストとして先月中旬に来日。

 

住人だったドイツ人は11月末でインターンを終えて帰国。

 

ゲストだったTさんは滞在を延長してこのシェアハウスにとどまりました。

 

今回が初めての来日らしいのですが、日本語をとてもよく勉強する人でした。

 

なんでも宇多田ヒカルの大ファンで、先週幕張メッセで行われた宇多田ヒカルのコンサートに行くことが延長滞在の大きな目的だったそうです。

 

彼女の歌に魅了されて日本語を独学で勉強するようになったとか。

 

驚いたのはTさんの勉強の姿勢。

 

毎朝起きてから1時間くらい日本語の勉強にあてていました。

 

題材は歌だったりドラマだったり何かしらの教材だったり。

 

何度も何度も暗唱をするように音読を繰り返していました。

 

そして我々と話する時は必ず「日本語でこれはどうやっていったらいい?」と訊いてきます。

 

こうだよ、と教えるとその場で音読して復唱し頭に叩き込んでいるんです。

 

使っているスマートフォンは日本語設定です。

 

そしてハウスルールに少しでも早く慣れようと、「ゴミの捨て方はこれでいいのか?」とか「次にリビングを使うのはいつだったっけ?」とかちゃんと確認をして対応しようという、一種の謙虚さが際立っていました。

 

郷に入っては郷に従え。

 

決して自分のやり方を押し通すことなく、このハウスの生活に溶け込もうとしていました。

 

なんどかハウスでのパーティーにも参加。

 

屈託ない笑顔で日本語と英語のちゃんぽんで会話はとても盛り上がりました。

 

自分が買物をしにでかけるときには覚えたての日本語を使って「ナニカツイデアリマスカ」と訊いてきます(^^)

 

優しさがあふれるようなオーラがありました(^^)

 

聞けば数年前にお父さんをなくしたあと、仏教の世界に触れる機会があり、それ以来ヴィーガンの生活を送るようになったそうです。

 

自分も1週間の仏僧体験をしたらしく、頭を丸めて袈裟をきた様子を写真でみせてもらいました。

 

彼は私と英語で話しているときによく「こういう時は〜〜〜というととても自然だよ」とNativeの使う表現を教えてくれました。

 

おそらく自分が日本語を学ぶときにそうしてもらうことが為になると思っているから、敢えて指摘してくれたんですね。

 

私もとても勉強になりました。

 

そんな彼が帰国してしまって、若干Tさんロス(^^)

 

「英語の発音や表現方法などいつでもレクチャーするから遠慮なく言ってくれ」といっていたので、社交辞令だったかもしれないけどちょっとお願いしてみようかな(^^)

 

その分こちらは日本語の表現を教えるという交換条件で。

 

私利私欲を捨てて相手の懐に飛び込む。

 

コミュニケーションの王道を彼は実践していたのかもしれません。

 

前日が私に会う最後の日となったのでお別れの言葉を交わしていたとき、彼の目から涙が流れていました。

 

そのときに彼は「bittersweet」という表現を使っていました。

 

直訳だと「ほろ苦い」です。

 

でも彼は「母国に帰れるのはHappyだけど、日本を離れるのはI miss it なんだ。日本語にしたらなんといえばいいんだ?」と訊いてきたので、考え込んでしまった。

 

ちょうどいい表現が見つからない(^^)

 

どんな表現がいいんだろう。

 

今度彼と話すときまでの宿題かな。。。