今回の読書会の課題図書は中国SFの「三体」。
中国のSFが今活気づいているらしいということで選ばれた本書。
元々は2006年に中国の雑誌で連載され、2008年に単行本化しヒットとなった作品で、著者は「三部作」として本作の他に、黒暗森林、死神永生 という作品を出していて合わせて2100万部出たそうです。
「三体問題」自体を知らなかった私は、物理学科出身の面目丸つぶれ(笑)
「三体問題」とは相互作用する3つの質点の問題で、天文学では相互に作用する天体運動の問題として扱われているらしいです。
具体的なことはまだわかりません(^^;;
その三体問題を題材にしてSFに仕上げたのが著者劉 慈欣。
1ページ1分のペースでしか読めず、440ページ余りを読み切るのはなかなかしんどかったです。
いきなり文化革命の場面がでてきて、主人公の1人女性物理学者が大きなトラウマをもち、その後の行動の伏線となるところから物語は始まります。
現代に話が移ると、現在のシーンとバーチャルゲームのシーンが交互に出てきて、物語の進行にアクセントがあります。
三体問題を知らなかったことや、バーチャルゲームの経験もない私でしたが、ストーリーがよかったか、翻訳がよかったのか、イメージしやすくて読む勢いは持てました。
なのでできるだけまとまった時間を使って一気に読むといいですね。
読書会は昨今のコロナ騒ぎの影響もあり、自重してスカイプ開催となりました。
主催者は私のハウスメイトなので、ゲストルームを使って他のメンバーとスカイプで接続。
読書会始まって以来初めてのことでした(^^)
この本を通じて科学に関心を持つ人達が増えるのではないか、国策か?とか、SFにもジャンルがあるらしいとか、本文とは離れたところでの意見交換が多かったです(^^)
元々あまり本を読まなかった私なのでSF小説自体もあまり馴染みはなく、映画なども特にそそられることはありませんでした。
スターウォーズも実はみていないし、インディージョーンズもそうだし、ガンダムもエヴァンゲリオンもみてないし、宇宙戦艦ヤマトは映画版だけしかみてないし。。。
異質なところでは2〜3年前に有川浩の「図書館戦争」シリーズを読んだのですが、WikipediaではこれもSFのジャンルに入るようで。
これも図書館の存続を巡って命をかけた戦争をしちゃうというかなり無茶な設定ですが、ストーリーが面白く珍しくシリーズを読み切っちゃいました。
ま、これくらいSF音痴の私でしたが、登場人物の名前とその読み方がなかなか覚えられなかったこと以外は楽しく読むことができました。
それでもバーチャルゲームの内容はよくわからなかった(^^;;
Kindleでなく本で購入すると、主要な登場人物のリストが書かれたカードがついていて、これをちょくちょくみながら名前の読み方を思い出すのに役に立ちました。
本書でも名前の読み方が随所でフリガナがふってあり、これも助かります。
やはり慣れていない言語での名前はなかなか覚えづらいですね。
この本を読むにあたって主要な登場人物は
文革でトラウマを残しつつ現代に生きる女性の天体物理学者 葉文潔(イエ・ウェンジエ)
現代のナノテクノロジー学者 汪淼(ワン・ミャオ)
身分は高くないがなんか見どころのある警官 史強(シー・チアン)
この3人かな。
物語の流れとしては汪淼(ワン・ミャオ)が主人公ですが、葉文潔(イエ・ウェンジエ)は影の主人公とも言える重要な人物。
そして史強(シー・チアン)はアクの強い存在感たっぷりで、私はどんくささが銭形警部とイメージがかぶります(^^)
久しぶりのSF、楽しめましたが、併読のつもりでKindleで購入したシャーロック・ホームズがまた面白く、どちらかというとやはり私は推理小説系のほうが好みなんだなぁ、とプチ自己発見でした。