48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書会〜「マツダ 心を燃やす逆転の経営」

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マツダ 心を燃やす逆転の経営

 

今回の課題図書は、存在感を出してきたマツダです。

 

本書はマツダの元会長金井氏へのインタビュー対談の形式で綴られています。

 

一時は、トヨタ、日産に次ぐ日本第3位の生産量を誇ったマツダは、バブル崩壊と時を同じくして経営が悪化。

 

アメリカフォードの傘下に入ることで再生をめざしますが、フォードのスタンスとマツダのスタンスは必ずしも一致せず、苦境は続きます。

 

そしてマツダの第6世代からメッセージ性のある商品ラインアップで復活の狼煙。

 

そんな元気がでてきたマツダを牽引した金井氏が、 なぜマツダは復活できたのかということを語ってくれる本です。

 

 

車の事業性ってどういうものでしょうか。

  • 商品価格が高い(数百万円以上)
  • 部品代も高い
  • 部品が多い
  • 設備投資が大きい(開発、生産、販売)
  • ビスから車体に至るまで部品の大きさの幅が大きい
  • 徹底的な安全性が要求される
  • 国際基準、環境基準、国の政策・法律に影響を受ける

 

 なんていうのが私のイメージです。

 

大量生産の性格をもった”モノづくり”、という点では最も大きな事業ではないでしょうか。

 

元メーカーだった私は家電系だったので、”モノづくり”についてはとてもシンパシーを覚えます。

 

今はソフトウエア全盛なので、とりあえず作ってみて市場にリリースして反応みて、デバッグしていけばいい、なんているスタイルが当たり前のように思われていますが、そんなことをハードウエアでやってみたら、大変です。

 

一度作ってしまったものは元に戻せませんから、作り直さなければなりません。

 

これを「手戻り」という表現でメーカーは嫌がっていました。

 

なので、どれだけ最初にしっかりした計画を作れるかが大きなカギだったのです。

 

その認識をもって読んで頂くと、この金井氏を始めとしたマツダの関係者がどんな頑張りをしてきたのか、どんな苦労をしてきたのか、がイメージしやすくなると思います。

 

私がこの本で素敵だなと思ったのは

  1. 理想を描いてそれに向かうこと
  2. 相反する意見は綱引きにしないで土俵をかえること

 

でした。 

 

1. 理想を描いてそれに向かうこと

 

この言葉や姿勢自体は目新しいことはありません。

 

ただマツダがこのスタンスに立ったのは、徹底的な管理主義で統治するフォードの傘下に入っているときであり、自分たちにとっての最善な方向を一から見つめ直そうと行動に起こした点にあります。

 

ともすれば、「上司がわかってくれないから」とか「会社がうごいてくれないから」という不満をSNSや飲み屋などで管を巻く人はよく目にします。

 

彼らは、理想を”妄想”したわけではありません。

 

同業他社の技術、事業を調査して自分たちの実力を客観的に捉えるところからスタートし、その上で理想と現実の間をつなげようとしたところに、リアルがあります。

 

常に理想が自分たちの先に存在していて、壁にあたってはその理想に向かうには、という強い意欲を生み出す原動力となっているんですね。

 

2. 相反する意見は綱引きにしないで土俵をかえること

 

モノづくりでよく陥るジレンマは、「性能」か「コスト」かという選択。

 

性能をあげようとすればコストはあがり、コストを下げようとすれば性能が下がる、というのは、モノづくりからすればなかば常識化している面もあります。

 

まさに綱引きの状態なんです。

 

ところが、コストを上げないで性能上げる方法はないか、とか性能をさげないでコストを下げる方法はないか、という視点に立ってみることで、「性能」と「コスト」という綱引きから土俵がかわります。

 

形を変えてみる、とか、材料を変えてみる、とか、接触のさせかたを変えてみるとか。。。

 

我々の普段の生活でもそんなことはよくありますよね。

 

友人が外で食事しようよと誘ってきたけど、月末で余裕もないから断ろうと思います。

 

外食しよう、外食したくないの綱引きになっちゃうわけですね。

 

ここで、「そもそも」なんて考えてみます。

 

友人は私といろいろ話がしたいので、食事をしながらと思って誘ってくれたわけです。

 

だから本来の目的は外食ではなく、私と話をすること。

 

一方私は予算に余裕がないから外食が嫌なわけで、食事することや友人と話すること自体は歓迎なわけです。

 

となると、「じゃあ、うちで食事作って話しようか」なんて展開になったりしますね。

 

外食ほどお金はかからないし、一緒に食事しながら話はできる。

 

これが土俵をかえる、ということです。

 

 

 

この本を読むと、否が応でも私の現役時代のことが思い出されます。

 

私がプロジェクトリーダーをやっていたとき、私も自分の商品の理想をかかげ、メンバーと共有し邁進していました。

 

チームメンバーの活動はすばらしく、その成果に周りからの評価はうなぎのぼりでした。

 

しかし、危機の訪れに対する感度とその危機への対応で、私の実力不足が露呈しました。

 

周りからの評価もあって随分粋がっていたなぁ、と当時の自分を思うと赤面の至りです。

 

 

 

 

本書の最後の方で紹介されていますが、金井氏は「やりたい仕事は特になかった」とおっしゃっていました。

 

「仕事は何か期待されて与えられてたわけで、その期待をちょっと超える成果をだしてやろう」という気持ちが強かったそうです。

 

そうするとみんなに喜ばれる。

 

そして自分は褒められる。

 

それが嬉しい、という「ええカッこしい」だったんですよ、と。

 

あ〜、私も「ええカッこしい」なのかなぁ(^^)

 

うん、そうかもしれない(^^)

 

 

 

なお今回も読書会はオンライン。

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みんなで一同に会して語り合えればそれが一番ですが、代替手段としてオンラインが普通にできるようになったのは、ありがたい。

 

昔はSkypeが最もメジャーでしたが、今はZoomなどたくさんアプリ環境があります。

 

WHOがPandemic宣言をしたので、リモートワークやイベント自粛はしばらく続きそうです。

 

外にでれないときに、こういうオンラインを上手に活用して、経済活動を続けていくことが経済低迷に歯止めをかける効力の一つになると思います。 

 

マツダ 心を燃やす逆転の経営