48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

藤井二冠が記録を更新しましたが

再び将棋の話で恐縮です。

 

ご存知のように藤井聡太棋聖がまたやってくれました。

 

八段昇段

タイトル二冠獲得

 

の最年少記録をいずれも更新しました。

 

八段昇段の最年少記録保持者はひふみんこと加藤一二三元名人、タイトル二冠獲得最年少記録保持者は羽生九段でした。

 

お二人共将棋界でも天才と呼ばれた超人。

 

そんな超人を超えてしまった”超”超人かもしれません(笑)

 

今回獲得したタイトルは「王位」といい、8つあるタイトルの中で、竜王、名人、叡王に次ぐ4番目の序列になります。

 

藤井棋聖の挑戦を受けた王位保持者は木村一基九段。

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(画像:将棋連盟ホームページより引用)

 

昨年初タイトル獲得時の最高年齢を更新した、”将棋界の中年の星”と呼ばれている方です。(^^)

 

藤井棋聖の4連勝で終わったため、木村九段の影が薄くなっていますが、実はとてもすごい棋士なので、ちょっとご紹介を。

 

1973年生まれの47歳。

 

竜王戦では1組(一番上のクラス)、名人戦ではB級1組(上から2番めのクラス)に所属し、藤井棋聖に奪われるまでタイトルホルダーでもあったトップ棋士です。

 

まずはちょっとこの年齢について。

 

将棋はスポーツではないですが、タイトル戦は2日連続で朝から晩まで、予選でも名人戦A級となると持ち時間が6時間もあるので朝から始まって翌朝なんていうこともあるくらい、体力を必要とするゲームです。

 

また最近は特にAIの発達もあり、研究活動をする上でコンピューターを活用できることは有利であり、柔軟性という意味でも若い方に利がある面もあります。

 

8つのタイトルホルダーは現在4人。

 

最高齢は渡辺明三冠の36歳、最年少は藤井二冠の18歳で平均27.8歳。

 

名人戦トップのA級は10人所属していて、最高齢は佐藤康光九段の50歳(先日お話した将棋連盟会長でありながら現役トップを張っている化け物みたいな人です(^^))、最年少は今年A級に昇格した斎藤慎太郎八段の27歳で、平均は35.8歳。

 

木村九段の所属するB級1組は13人が所属しており、最高齢は郷田九段と丸山九段の49歳、最年少は今年昇格した若手の有望株近藤七段の24歳で、平均は40.4歳。

 

木村九段は年齢的に5番目。

 

竜王戦予選リーグトップの1組は16人が所属していて、最高齢は佐藤康光九段の50歳で、最年少は斎藤慎太郎八段と永瀬二冠の27歳で、平均は38.8歳。

 

木村九段は年齢的に4番目。

 

このように、ベテランとして若手の挑戦を受けている、そんなポジションにいます。

 

なお名人戦のA級、B級1組、竜王戦の1組に所属していて、木村九段と同世代の人たちの成績を調べてみました。

 

  • 佐藤康光九段(永世棋聖)50歳:タイトル獲得通算13期、通算成績1,049勝649敗、通算勝率0.619
  • 羽生九段(永世七冠)49歳:タイトル獲得通算99期、通算成績1,462勝612敗、通算勝率0.705
  • 郷田九段49歳:タイトル獲得通算6期、通算成績896勝560敗、通算勝率0.615
  • 山九段49歳:タイトル獲得通算3期、通算成績928勝543敗、通算勝率0.631
  • 屋敷九段48歳:タイトル獲得通算3期、通算成績788勝516敗、通算勝率0.604
  • 深浦九段48歳:タイトル獲得通算3期、通算成績855勝505敗、通算勝率0.629
  • 三浦九段46歳:タイトル獲得通算1期、通算成績631勝457敗、通算勝率0.580
  • 久保九段44歳:タイトル獲得通算7期、通算成績773勝488敗、通算勝率0.613
  • 木村九段47歳:タイトル獲得通算1期、通算成績661勝385敗、通算勝率0.632

 

いや〜、皆々様全員タイトル経験者だし、ほとんどが勝率6割超えてるし(通算6割超えは一流の証)・・・

 

その中でも木村九段は遜色ない、いや勝率からみるとかなりこの世代では強い棋士と言えるでしょう。(羽生九段、佐藤九段についで3番目)

 

〜〜余談〜〜

羽生九段の勝率7割超えは尋常じゃありません(笑)現役棋士で500局以上戦った棋士の中で勝率7割を超えているのは永瀬二冠のみです。

 

それから歴代通算勝利数で見ると羽生九段1位、佐藤九段9位(現役3位)、丸山九段13位(現役7位)、郷田九段14位(現役8位)、深浦九段19位(現役10位)です。

〜〜余談以上〜〜

 

木村九段は2001年に年間61勝12敗勝率0.8356というすごい成績をあげたのですが、これは歴代でみても、年間60勝以上あげたことがあるのは、羽生九段(4回もやってるからすごい)、森内九段、藤井二冠、木村九段の4人だけ。

 

勝率0.8356も歴代5位の記録です。

 

 

 

このように立派な結果を残してなおかつ走り続けている強さはとても魅了的なのですが、一方で私は個人的に「解説の旨さ」が木村九段の好きなところでもあります。

 

将棋界の方々はとても専門家っぽくて将棋は強いのだけど、素人にわかりやすく解説ができる人はなかなかいません。

 

それはそれで仕方ないことなんですが、木村九段はワタシ的には「将棋界のさだまさし」です(笑)

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(画像:さだまさし公式Twitterより引用)

 

どことなく似てません?(^^)

 

NHKの将棋対局の解説では、対局者が1つ手を指すと、「これの狙いは」とすぐに解説してくれます。

 

ユニークでもあり、ジョークを交えながらの解説なので、飽きません。

 

解説者としてでてきても全然解説しない人とか、対局に入り込んじゃって自分が考えちゃう人とか、自分でわかって満足しちゃっている人とか、いろいろな人がいます(^^)

 

でも木村九段が解説してくれる対局は、戦術や寄せ方、組み立て方などかなり勉強になります。

 

今回ストレートで藤井さんに敗れましたが、正直相手が悪すぎた(^^)

 

今飛ぶ鳥落とす勢いの藤井さんは今年だけでも19勝3敗で対局数22局、勝数19勝、連勝(10連勝)は1位で、勝率0.864は4位ですが、タイトル戦のレベルでこの勝率は化け物みたいな数字です。

 

勝率で藤井二冠より上位の3人はいずれも全然下位のクラス(C級、フリー)で、戦っている相手のレベルが藤井二冠とは全然違います。

 

そんな現在最強かもしれない人でなおかつ勢いがついているところであたってしまったのは、ある意味運がなかったかも。

 

でもまだまだタイトルを狙える実力をもっている方だと思うので、これからも頑張ってほしい棋士の一人です。