(画像:Amazon Primeより引用)
先日アップした「武器としての『資本論』」ですが、もしかして何か映画になっていないかなと調べてみたらAmazon Primeでこの映画があることを見つけました。
マルクスとエンゲルスが出会ってから共産党宣言を出すまでの彼らの活動を描いたものです。
いつも洋画は英語学習もかねているのですが、これは開始早々からドイツ語(^^)
そしてフランス語がでてきて、途中で英語もでてくる。
舞台がプロイセン(今のドイツ)、フランス、イングランドと各国にあったからです。
主人公のマルクスとその妻はドイツ語、フランス語、英語を扱えるトリリンガル。
1800年代でもそういう人たちはいたんですね。
エンゲルスの妻になる女性はアイルランド人なのですが、彼女は英語しか話せません。
ここが面白いところで、英語圏の人は当時から他の国の言葉を使おうという意識があまりなかったのかも。
話は、労働者から時間と金を搾取しているブルジョワを徹底的に攻撃するマルクスと、工場長の息子というブルジョアの立場にありながら、労働者の研究をし論文を発表していたエンゲルスとの出会いから始まります。
お互いの論文を認めあったことから急速に二人の仲は縮まり、ドイツ、フランス政府からの取締をうけながら、共産主義の浸透をはかっていきます。
最後はドイツ人共産主義の秘密結社「正義者同盟」に加入し「共産主義者同盟」として実質乗っ取るところまでがこの映画のストーリーです。
この映画で私が注目したのは、当時の時代背景。
映画の冒頭、身分の高いものと思しき人達が馬にのって森に入り、薪拾いをしていた貧しい人たちを次々に殺していくシーンがあります。
「ヒト狩り」のような印象を与えます。
当時のブルジョア階級がいかにひどいことをしていたか、ということを表現しようとしていたのか。
実際にあったことかどうかはわかりませんが、もしそうだとしたらかなり驚きです。
そして労働者階級と言われる人たちの生活ぶりがかなり貧しい印象も受けます。
住んでいる場所、食べているもの、服、シャワー(風呂)に入っていなさそうな汚れ具合・・・
「格差社会」を問題視する声が現代でもよく耳にしますが、皇族を始めとしてブルジョアと呼ばれる人たちの特権ぶりと、かなり低いと思われる労働者階級の人たちとの格差は、もしかしたら現代以上なのかもしれない、そう思わせる描写です。
今の私はビル・ゲイツやウォーレン・バフェットらに比べたら、圧倒的に資産や収入格差がありますが、今の生活に不満はありません。
マルクスは「人々の融和なんてあまっちょろいこと言ってたらブルジョアの思うつぼだ。徹底的にブルジョアを倒さなければならない」というかなり攻撃的な思想です。
自身が「革命家」といっているくらいですから。
そういう思想に至ったのは、当時の多くの人たちの生活レベルがあまりにも低かったことが背景にあるのだろうか、と感じさせられました。
同じ頃日本は江戸時代、徳川家と一般庶民との格差もかなり大きかったと思われますが、共産主義思想は育ちませんでした。
この違いは当時の統治の姿勢にあったのでは、というのはなんとなくの憶測。
映画なのでフィクションの世界ではありますが、いろいろと想像をかりたてられますね。
映画の最後にでてきた写真です。
右側がマルクスとその妻。
左側がエンゲルスとその妻、子。
映画ではマルクスに2人の子供がいて、エンゲルスの妻は子供を作る気がないという話をしていたので、このあたりは史実とことなるのかな。。。
配役はこの写真をみると実際の人物の雰囲気を出している気がします。