今回の課題図書はこちら。
2020年11月に発行したというほやほやの新刊です(^^)
Google Mapをみると神奈川県、横須賀は走水を起点にして、町田、八王子、入間、川越、岩槻、野田、柏、八千代、市原を抜けて千葉県の富津市の富津というT字路までが相当するようです。
著者はこちらにも本の宣伝も兼ねてか(^^)記事を掲載しています。
それから国道16号線の地図はこちらのURLで掲載されています。
国道16号線が「日本」を創った、とは随分ふっかけたタイトルに聞こえますが、この本によると、3万年前の旧石器時代から脈々とこの国道16号沿線は賑わいをみせていたようです。
そしていろいろなものを生み出し、日本という国を支えていたようです。
URLの記事は全6章で成る本書のうち、第4章までの内容の抜粋で、第5章のシルクロード、第6章のポケモンについては触れていません。
国道16号線というごくごくありふれた国道にもかかわらず、日本の歴史において大きな存在感がある、という視点でスポットをあてた研究はとてもユニークでした。
著者によると本書の構想は15年くらい前からあったそうで、しかも書籍化にあたって調査を進めれば進めるほど新しい発見があったということで、かなりの知見をお持ちでいらっしゃるのではと思います。
たぶんこの内容でブラタモリの特集組むだけでも、いい番組ができるのではないかと想像します(^^)
それは地形の成り立ち、人類の歴史、文化といった要素がふんだんに盛り込まれるだろうと思われるからです。
こちらGoogle Mapの地形図に国道16号線を描いてみました。
細かいところはずれているところがありますが、大枠と捉えてください(^^)
緑の色が濃ければ濃いほど標高が高いということです。
確かに著者がいうように、緑色とグレー(すなわち平地)の境目をずっとなぞっている感じですね。
もっともっといろいろなことを紹介してほしい、と思わせる本です(^^)
ではこの本はブラタモリ的な雑学エンターテイメントか、というとそれだけではない気がします。
著者の師匠にあたる岸由二慶応大学名誉教授は、日本進化生態学者で、三浦半島小網代(こあじろ)の谷を自然の状態で保持する活動をしていたそうです。
著者はその活動にも参加していて、自然に対する敬意を文面からなにか感じます。
こちらにその小網代の谷について紹介している記事があります。
自然の営みにしたがって人は生活を営み、文化を育み、都市を作るという歴史を繰り返している、すなわち人は自然の中に包まれていることをもっと意識してもいいのでは、なんていうことを伝えたい気持ちが結構あるんじゃないかな、なんて妄想しました。
この本で小網代の谷のことを初めて知りました。
今度この谷に行ってみよう(^^)