(画像:Netflixから引用)
今回観た映画はこちら「ボビー・フィッシャーを探して」。
初めてアメリカにチェス世界王者の称号をもたらした伝説のチェスプレーヤー、ボビー・フィッシャーの再来と言われたジョシュ・ウエイツキンの少年時代を描いた作品。
1993年に公開されています。
ジョシュ・ウエイツキンは実在の人物で、数々のチェスの大会で優勝をしているそうです。
チェスの才能に目覚めた少年、少年の才能を延ばして栄光をつかませたいと思う父親、少年の気持ちを第一に考えジョシュを守る母親、ボビー・フィッシャーに匹敵すると思われる才能を高く評価しヒーローの再来を期待し厳しくあたるコーチ、チェスを楽しむストリートプレーヤーなどいろいろな人物と思惑がからみあう、人の気持ちにフォーカスがあたった作品です。
ジョシュの父親フレッドは、ジョシュがチェスの才能があるのを認めると、高い金を払って良いコーチをつけたり、仕事休んで大会につれていったりと積極的に応援しますが、肝心のジョシュの気持ちにもう一つ寄り添えてないもどかしさがあり、一方で母親であるポニーが子供の気持ちこそ優先であることを貫いていて、時には夫婦喧嘩になってしまうのですが、彼らの信念と試行錯誤がこの作品の一つのアクセントになっています。
ストリートプレーヤーのアクの強さ、コーチの勝負に徹する厳格さ、不気味なライバルの寡黙さなど、いろいろといいアクセントがあり、その中心にジョシュの心のゆらぎと成長がなにかもどかしさと頼もしさを感じさせ、最後には心温まる作品ですね。
印象に残ったセリフ。
ジョシュがストリートプレーヤーのヴィニーを自分のベッドで寝かせてあげたいといったときに母親が行ったセリフ
「やさしいのね。世の中で一番大事なことよ」
You hava a good heart. And that's the most important thing in the world.
最後にジョシュが試合に負けた友人モーガンに対してかけたセリフ
「秘密を知りたい?僕の年になったら気味も強くなるよ」
I'm going to tell you a secret. You're a much stronger player than I was at your age.
どれも映画を観ると「あ〜」と感じられるセリフです。
英語と和訳とちょっと微妙にニュアンスが違いますね(^^)
私の個人的印象は以下の通り。
- ストーリー性:奇想天外な展開やスリルといったものはなく、なんとなく期待したい流れで進むので、よく言えば安心して観ていられるストーリーです。
- 気分:最後はハッピーエンドなので観終わった後は気分がいいです。
- 役者:主人公の少年役のマックス・ポメランクはWikipediaにものっていないので、子役で表舞台から消えたのかもしれませんが、周りの役者は錚々たるメンバーです(^^)
- 英語難易度:子供のセリフが中心なので、実は結構難易度高い(^^;;
- 時間:1時間50分ほどなのでほどよい長さです。
- また観たいか:観終わった後の気分がいいので、今度は英語字幕で観てみたいです。
んで、恒例となりつつある「この役者はあの映画にでていた」シリーズ(笑)
まずジョシュの父親と母親。
(画像:Netflixから引用)
父親役はジョー・マンテーニャという人で、ゴッドファーザーIIIでジョーイ・ザザというマフィアの役をやっています。
ゴッドファーザーIIIは1990年公開なので、この映画のちょっと前ですね。
(画像:Youtubeから引用)
私はこの映画でしかジョー・マンテーニャを知らず、あまりにもマフィアの役がハマりすぎていたので、今回の映画でいつ悪役に転じるんだろうなんて余計なことを考えてしまいました(笑)
母親役はジョアン・アレンという人で、マッド・デイモンの代表作「ボーン・アイデンティティー」シリーズでCIAでありながらボーンの立場に理解を示すパメラ役ででています。
(画像:Youtubeから引用)
このときは家庭の匂いを一切させないくらい、できるCIA捜査官という役だったので、母親というイメージになれるまでちょっと時間がかかってしまいました(^^)
つづいてストリートプレーヤーのヴィニー役はローレンス・フィッシュバーン。
(画像:Netflixから引用)
いや〜、若いし痩せてる(笑)
まあ公開された年は32歳ですからね。
彼はいろいろな作品に出ていますが、私が観た中で印象に残っているのは、感染症のパンデミックを描いたマッド・デイモン主演の「コンテイジョン」という映画。
(画像:ワーナー・ブラザーズ公式ページより引用)
感染症に対峙するチーヴァー博士の役でした。
他にもマトリックスではモーフィアス役がはまり役でしたね。
それからちょい役でしたが、ジョシュの学校の先生役で出ていたのがこの人。
(画像:Netflixより引用)
ローラ・リニーという役者で、どっかでみたことあるぞ、と思って調べたら、ジム・キャリー主演「トゥルーマン・ショー」でジム・キャリー演じるトゥルーマン・バーバンクの妻として出演していました。
(画像:Youtubeより引用)
後にはトム・ハンクス主演「ハドソン川の奇跡」でトム・ハンクス演じるサレンバーグ機長の妻役で出ていました。
他にもジョシュのチェスの師匠ブルースを演じているのは、映画「ガンジー」でアカデミー賞を受賞したベン・キングズレーが出演しています。
そう、この映画、脇役の固めっぷりがすごいんです。
主人公の少年ジョシュを演じたマックス・ポメラックだけ、活動期間が1993年〜1995年と2008年のみ、という無名だったんですね。
なお監督・脚本のスティーヴン・ザイリアンは、レナードの朝、シンドラーのリスト、ミッション・インポッシブル、ハンニバル、マネーボールなどの脚本をてがけており、最近ではロバート・デ・ニーロ主演アイリッシュマンの脚本もやっていて、未だに第一線で活躍する売れっ子脚本家です。