NHKプラスでドキュメンタリーを探していてこのタイトルが目に入ってきました。
ちょっと興味がそそられたので視聴することに。
(画像:NHKスペシャルより引用)
NHKプラスでは「選」とあったので、おそらく再放送だろうと思われたが、後で調べると2015年5月の放送だったようです。
結構古かった(^^;;
ま、それはおいといて・・・
明治神宮が創設100年を迎え、普段は立ち入りが禁止されている森に、多くの学者たちが研究調査を行ったその記録をまとめたドキュメンタリーです。
明治神宮は明治天皇崩御ののち、明治天皇と昭憲皇太后を祀るために今の場所に作られた神社でそのまわりを23区内では皇居に次ぐ広さをもつ森林に覆われています。
その森林は現在は立派な森ですが、もともとここはなにもない土地で、当時の3人の学者が中心となって設計され植樹されてつくられた「人工の原生林」なんだそうです。
現在は多くの動植物が生を営んでいて、絶滅危惧種や日本固有種も少なくありません。
そして現在は森の王者と呼ばれるオオタカも定着して生態系の頂点に君臨しているんだそう。
オオタカがいるということは、その場所が生態系豊かな「森」であることの証でもあるそうです。
そして水辺の生き物にはブラックバスのような外来種がおらず、日本がもともともっていたであろう生態系を再現していると言われています。
この森を作るときのコンセプトは「永久に続く森」。
まさに、持続可能なというSDGsの思想そのものです。
植樹した森は基本人間が手を加えて手入れをすることで森として育つのですが、明治神宮の森は人の手を入れないで「自生」によって森として生き続けられるように周到な設計がされたそうです。
その内容については本編をご覧いただいたほうがいいと思いますが、すごいのは、中心となった3人の学者が50年後、100年後、150年後を予想して設計していたこと。
本番組の案内役をしていた養老孟司さんが「とてつもなくぜいたくな実験」とおっしゃっていましたが、まさに国中を巻き込んだ大実験だったんです。
今では「年内」とか「来年」とか「3年後」とか短いスパンで利益をもたらしてくれるかどうかが、投資の判断基準となっていることを考えると、圧巻の事業です。
ニュージーランドのティリティリマタンギ島で絶滅危惧種を島に放ちさらに植林をして昔の自然を復活させた例がありますが、同じようなことが100年以上も前に日本で、しかも東京のど真ん中でやられていたとは、私には大きな驚きでした。
しかも自然に任せる、という手法がすごい。
当時は150年後にくるであろう姿が、実際は100年たった今到達しているようで、当時よりかなり早い速度で原生林が育ってきたらしいです。
何気なくみてきた森なんですが、すごい貴重な場所だったんですね。
今度行ったとき、森をじっくり眺めてこようと思います。