多くの企業、学校で2022年度が始まった4月。
今年度は4月1日付で多くの法律改正、施行が見られました。
民法改正
成人の定義がこれまでの「20歳」から「18歳」に引き下げられました。
とはいえ、飲酒、喫煙、公営賭け事は20歳にならないとできません。
「成人」といいながらも「半成人」のような状態が18歳、19歳の2年間続きます(^^)
中途半端だなと思いきや、こういった例は珍しくありません。
成人年齢、飲酒可能年齢を並べると、日本の場合(18、20)と表現するとしましょう。
アメリカ:(18、21)
イギリス:(18、16(ビール、ワイン)&18(ウイスキー))
イタリア:(18、16)
マレーシア:(18、21)
一部の例ですが、成人年齢=飲酒可能、というわけではないようです。
国によっては成人年齢が選挙権を得る年齢と異なる国もあります。
https://www.moj.go.jp/content/000012508.pdf
年金制度
大きな変更は以下の通り。
- 被保険者対象が拡がる:中小企業のパートやアルバイトも対象になります。
- 在職中に受給できる賃金+年金の合計額が月額28万円から47万円へ引き上げ。
- 年金受給開始年齢が70歳から75歳へ引き上げ :65歳で受給開始した時の受給月額を100%とすると、60歳受給開始だと70%ですが、71歳受給開始で150.4%、75歳受給開始で184%となります。
- 確定拠出年金加入可能要件見直し:加入年齢、受給開始時期がそれぞれ5歳ずつ引き上げられます。
高年齢者雇用安定法
70歳まで働ける機会の確保を企業の努力義務とする。
高齢化社会に向けて「元気な高齢者がもっと働ける」環境を企業側で整えていきましょう、ということですね。
育児・介護休業法
お子さんが生まれた従業員に対して、育休制度の内容をちゃんと伝えることと、その制度を活用する意向があるかどうかを本人に確認する責任を企業側が持つ、ということが大きな変更です。
不妊治療
不妊治療の保険適用範囲が拡大します。
プラスチック資源循環促進法
たくさんありますが、最も身近なものであればコンビニのプラスチック製スプーン、フォークが今までのようにただもらえることが減ります。
プラスチックゴミ低減への効果は小さいようですが、削減に向けての一歩にしたいという思惑のようです。
社会環境の変化に伴い法律が改正されていくのは自然の流れでもあります。
今回の改正は「高齢化社会」「地球環境」「働き方」という今の日本の社会問題にスポットをあてたものです。
私もこれから”高齢”の仲間に入ろうとしているわけですが、先のことを考えながらも、一寸先は闇な要素もたくさんあります。
天災、事故、病気・・・これらがいつ自分にふってくるかわかりません。
今回コロナ感染をしましたが、2年前の武漢型のような致死率の高い時に罹患していたら今この世にいなかったもしれません。
たまたま致死率が低くワクチンを3回接種した後だったから軽症で済んでいるかもしれないのです。
「今」だけを考えるとか「将来」だけを考えるといった極端な「イエス オア ノウ」ではなく、常に両方を意識して、将来に向けての準備をしながら今と時間を大切にするというバランスがこれまで以上に求められていく社会のような気がします。
「現代の人が1日で得られる視覚情報は、平安時代の人にとって”一生分”に相当する量である」ということをテレビで紹介されていました。
いろいろな意味で大変な世界ですね。