今回観た映画はこちら。
前回鑑賞した映画で出演していたジェイク・ギレンホールの作品として、SNSでつながっている友人から教えていただいた作品。
こちらが前回鑑賞した作品。
しかも、主演はヒース・レジャー。
若くして他界し、その才能を惜しまれた俳優です。
以前「パトリオット」という映画でメル・ギブソン演じる将校の長男という役柄で出演していました。
あらすじは、監督アン・リーの言葉を借りれば「普遍的なラブストーリー」とのこと。
イニス・デル・マー(ヒース・レジャー)とジャック・ツイスト(ジェイク・ギレンホール)はブロークバックマウンテンの農牧場で季節労働者として出会います。
2人で山の中を羊を放牧して何ヶ月も滞在するのですが、いつしか2人が結ばれてしまいます。
ジャックから誘いをかけイニスは抵抗するものの、2人はお互いを受け入れます。
就労時期が終わりそれぞれの家路につき、地元でそれぞれ妻をとり子供もできます。
数年してジャックがイニスを訪問し再会したことで2人は再び愛を育む関係になります。
イニスの妻アルマ(ミシェル・ウィリアムズ)は偶然ジャックとイニスがキスをしているところを見てしまい、ショックをうけます。
アルマに気づかれたことを知らないイニスは、ジャックが来るたびに「釣りにいく」と偽って2人の想い出の地ブロークバックマウンテンに数日滞在するようになります。
イニスとアルマの間には亀裂がはいり、やがて離婚。
イニスは養育費を払うために忙しくなり、ジャックと会う時間もなかなかとれなくなります。
そして・・・
これ以上はネタバレになるので割愛します。(^^)
そうなんです、同性愛に目覚めた2人の男の心を描いた作品です。
ジャックの妻ラリーンはアン・ハサウェイが演じています。
イニスもジャックもゲイというよりは、性志向としてはバイセクシャルと呼ばれるジャンルになると思われます。
価値の多様性を受け入れていこうという空気が主流になりつつある今、同性愛に対しては「それも生き方の一つ」という認識はしていても、このように映画で観ると、まだまだ自分の中では表面的な理解にすぎていないんだな、と感じさせられました。
イギリスでは戦後でも同性愛は、法律違反として罰せられる対象であったし(暗号エニグマを解読し現在のコンピューターの基礎を作ったアラン・チューリングがまさにそれで非業の死を遂げています。)、この映画も1963年のアメリカが舞台ですが、同性愛に対して強烈な拒否反応を社会がまだ持っていたことが映画の中で描かれています。
パトリオットでの共演以来、メル・ギブソンと親しくなったヒース・レジャーは、そのメル・ギブソンから「絶対ゲイを演じる作品は出るな」と言われていたらしく、この映画に出演したことによってメル・ギブソンとは疎遠になったと言われています。
(ギブソンは超伝統主義カトリック教徒として知られ、道徳的にも極めて保守的な信条の持ち主であったことが背景にあるらしい)
今は発信力のあるインフルエンサーが当たり前のように同性愛であることを公表することが多くなり、最近では社会的にも認知が進んできています。
監督アン・リーのいう「普遍的なラブストーリー」は、特に「ゲイの」とか「男女の」とか頭に説明文をつけなくてもいい時代になっているんだ、という時代の先取り的な感覚だったのかもしれません。
なお、この作品、セリフが少ないです。
英語の勉強、という意味ではセリフが少ないことやヒース・レジャーのセリフが聞き取りにくい(演技としてやっていると思われます)ので、題材としてはなかなか厳しい(^^)
でも、ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホールの表情やしぐさで役を演じているその技術の高さは、素人の私からみてもすごいなぁ、と感じました。
顔や、目つき、背中の丸まり方、腕の絡ませ方、などなど・・・
20代から40代まで、ちょっとしたメイクと喋り方などで演じ分けています。
2時間14分の2005年アメリカ映画でした。