先週に続き、ビブリア古書堂の事件手帖シリーズの第6巻。
7巻で完結するので、いよいよ大詰めです。
第6巻は第4巻と同じ長編です。
プロローグ、3つの章、エピローグで構成されています。
プロローグは、いきなり病室が舞台となってでてきます。かつて篠川栞子が大怪我をして入院していて病院に、なぜか五浦大輔が横たわっています。
どうも今度は五浦大輔が大怪我をしたもよう。不穏な雰囲気をプロローグが醸し出してから本編に入ります。
今回の本の題材は「太宰治」。
取り上げられた本は「走れメロス」「駆込み訴へ」「晩年」の三作。
「走れメロス」は太宰作品の中でももっとも知られている作品の一つなので、ご紹介するまでもないでしょう(^^)
「駆込み訴へ」は、Wikipediaでこう紹介されています。
## 本作品は妻美知子が太宰の口述を筆記してできたものである[1]。「全文、蚕が糸を吐くように口述し、淀みもなく、言い直しもなかった」という美知子の証言がある[3]。
イスカリオテのユダを主人公とした視点で、イエス・キリストに対してどういう感情を持っていたのかを述べるという形式を取っている。全体としてはイエスの薄情や嫌らしさを訴える内容となっている。しかしその実質は、自暴自棄になったユダの愛と憎しみがないまぜになって、どちらがどちらか本人すらすでに判別つかなくなり、混乱しながらも悲痛に訴えているというものである。ユダがどこに駆け込んで誰に訴えかけたのかは、明らかにされない。##
太宰治とキリスト教というつながりが今までになかった視点だったので、興味深いです。
「晩年」は1936年、最初に発行した短編集です。この稀覯本(きこうぼん)が本作品には大きく関わっていて、最初の第1巻で登場し、そして再びこの第6巻でも登場します。
この作品で登場する稀覯本が本当に存在するかどうかは、フィクションなのでわからないのですが、「稀覯本 太宰治」と検索するといくつかでてくるので、関連があるかもしれません。
第6巻では、セリフを通じて太宰治、その作品についての特徴の解説が散りばめられていて、太宰作品を味わうときの参考になります。
本作でもいっていますが、好みが結構はっきり分かれるようですね。太宰治自身がもっている弱さというものが、作品の登場人物を通じて表現されていて、それに共感ポイントがあるようです。
勉強になります(^^)
さあ、次はいよいよ最終巻。楽しみです。