48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

八冠

ついに達成してしまいました。

 

テレビやネットでたくさん報道されているのでご存じの方も多いと思いますが、将棋の藤井聡太さん(以降藤井八冠、とします)が、将棋全タイトルのうち残っていた「王座」というタイトルを、永瀬王座(以降永瀬九段、とします)から奪い、すべてのタイトルを手中に収めました。

 

過去に将棋のタイトルを独占したというのは、これまで3人いました。

 

1人目は、升田幸三元名人。1957年に当時のタイトル「名人」「王将」「九段(後に十段戦になり、その後竜王戦に発展)」3つを独占したのが最初です。全タイトルをとったのですが、その9ヶ月後に「王将」を失い、全冠制覇は終わります。

 

2人目は大山康晴永世十五世名人。昭和を代表する棋士で、恐ろしいことに6回も全冠独占を経験しています(^^)

(1)1959年、升田幸三元名人と同じ三冠を独占

(2)1960年、「王位」というタイトルが新設されて、その第1期のタイトルを獲得し、四冠を達成します。1961年も四冠を維持。

(3)1962年、「棋聖」というタイトルが新設されると、このタイトルも獲得し、五冠達成(笑)その直後に「王将」のタイトルを奪われます。

(4)1963年、「王将」のタイトルを奪取して再び五冠。「棋聖」というタイトルは当時年に2回タイトル戦が行われていたのですが、1965年の後期まで五冠を独占します。

(5)1966年の前期に一度「棋聖」のタイトルを奪われますが、後期で奪取し再び五冠達成(^^)しかし1966年に「棋聖」を奪われます。

(6)1970年の前期なかなか戻せなかった「棋聖」を奪取し、6回目の全冠達成。ただその年に十段(九段の発展した棋戦)を中原誠永世十六世名人に奪われます。

 

この後は中原誠永世十六世名人がほとんどのタイトルを保持しますが、全冠制覇はついに実現しませんでした。1977年にタイトル6つのうち5つまで保持することはできたのですが。

 

そして3人目は今も現役トップクラスの羽生九段。

1995年に7つあるタイトルをすべて獲得し、初めての七冠を達成。当時一般棋戦と呼ばれるNHK杯、将棋日本シリーズ銀河戦(当時はまだ非公式戦)の中でNHK杯も獲得し、合わせて八冠とも言われていました。

 

そして藤井八冠が4人目として全冠制覇。今回何がすごいって、4つになった一般棋戦(NHK杯、将棋日本シリーズ銀河戦朝日杯将棋オープン戦が加わった)も実は全部今藤井八冠が優勝者なんです。

(画像:将棋連盟ホームページより引用)

 

ご覧のように、将棋連盟にあるタイトルホルダー、優勝者一覧は、すべて藤井八冠。一般棋戦合わせると十二冠という状態なんです。

 

ここまでくると笑ってしまう(笑)

 

将棋は一般棋戦は、毎回トーナメントで戦いますが、タイトル戦は、タイトルホルダーと戦うには予選を勝ち抜いて挑戦者にならないといけません。つまり、一度とタイトルホルダーを除く全ての棋士の頂点に立たないと、藤井八冠と戦えないんです。

 

一般棋戦なら、シードではあるけど藤井八冠と当たる可能性はありますが、今となっては藤井八冠と公式戦で将棋を指すこと自体が難しくなってしまった!

 

そしてそういう状態なので藤井八冠は常にトップクラスと戦うのですが、それでも勝率が8割を超えていることも驚異的!

 

将棋では7割超えを維持するのも大変な世界。昭和の怪物大山永世十五世名人で6割4分7厘。レジェンド羽生九段も2年くらい前に7割をついに切ってしまい、6割9分4厘。

 

藤井八冠は8割3分4厘!

 

未だタイトル戦では失敗したことがなく、18回連続タイトル獲得という驚異的な記録をだしており、タイトル獲得数はすでに歴代7位。連続タイトル獲得も大山永世十五世名人の持つ19期にあと1つ。

 

先日始まった竜王戦のタイトルを防衛すると、タイトル獲得数は歴代6位タイ、連続タイトル獲得も歴代1位タイと、もう並んでしまいます。

 

 

 

八冠とった翌日はワイドショーでもこぞって取り上げられて、師匠の杉本八段や、元棋士の田中元九段などがテレビに引っ張りだこですね(^^)

 

今度は誰がこの化け物にストップをかけるか、それが楽しみになるかもしれません。

 

個人的には「王将」というタイトルの挑戦者決定リーグで7人が挑戦者を争っているのですが、レジェンド羽生九段が2戦全勝と幸先いいスタートを切ったことで、再び藤井全冠と羽生九段のスター対決を見てみたいなぁ、あわよくば羽生九段タイトル復活、なんて期待しています。

 

 

 

藤井全冠の記録やその凄さなどはネットでいくらでも拾えると思いますので、ここでは割愛します。

 

それにしても、永瀬九段は第4局もその前の第3局も最後までかなり優位な状況だったところを、1手の緩い手を打ったために逆転される、というものすごい展開で、見ている方もかなり驚かされました。

 

永瀬九段も藤井全冠に次ぐレベルとも言われており、そんな実力者が逆転されるような緩い手を打ってしまうのは藤井全冠が相手だからこそかもしれません。

 

おそらく藤井全冠のタイトル戦で、ここまで藤井全冠が苦労したのは初めてだったんじゃないか、と個人的には思っていて、それだけ化け物藤井全冠を追い詰めるだけの力をもつ永瀬九段の強さというものも見せてもらった気がします。

 

大谷翔平といい藤井全冠といい、スーパースターの誕生は業界をもりあげますね。

 

競馬も武豊の登場で変わりましたし、相撲も若貴の登場でファン層が拡がりましたしね。

 

すっかりヘボ将棋で観る将になってしまいましたが、これからの藤井全冠を軸とした将棋を楽しめそうです。