今回の読書会の課題図書はこちら。
「創造」「才能」がいったいどのようにして生まれてくるのかを、誰もが知る天才たちを具体的に挙げながら、精神医学的見地から解き明かすという内容です。
歴史上の天才たちには、精神疾患の傾向がみられることが多い。これは数々の医学的データから明らかになっているそうです。
本書では、発達障害には「マインド・ワンダリング」(いわゆる「心ここにあらず」の状態)、そして「過剰な集中」という2つの特性があることを指摘。そして、相反するこの2つの特性が、天才の特異な能力と密接に結びついているという仮説を提示しています。
(以上の紹介文言はAmazonの紹介ページから引用)
野口英世、モーツァルト、アインシュタイン、ダーウィン、コナン・ドイル、山下清らに加え、黒柳徹子や水木しげるといった名前もでてきます。
他にも東京ラブストーリーの赤名リカ、レインマン、シャーロック・ホームズといった物語の中で登場する人物たち、源義経、斎藤道三といった歴史上の人物も登場します。
俗っぽくいえば「点は二物を与えず」ではないですが、突出した能力があれば、ちょっと足りない面もあって、うまくバランスがとれていることってよくあるよなぁ、なんて話を耳にします。
この本ではむしろ逆の視点で、「何か足りない面があっても、一方で優れた能力を有していることもあり、そういった”特長”に目を向けることで、多くの人の可能性を感じてほしい」という視点が著者の意図の一つではないかと感じます。
甥っ子がある意味発達障害でもあるんですが、ガジェットの扱いは天才的で、スマホやタブレットのパスワードもこっそり盗み見て覚えているし、家電も教えてないのに自在に扱うことができちゃいます。
そんな甥っ子の能力を身近に感じていたので、この本で語られていることは違和感なく読むことができます。
社会の変革には「イノベーション」が必要だ、とよく言われます。
イノベーションを起こす人物、私の私見では、それは凡人にはなし得ないことで、選ばれし天才や奇人がなし起こすんじゃないかと思っています。
会ったことはないですが、アレキサンダー大王、ジンギスカン、織田信長、ニュートン、ベートーベン、ゴッホ、ピカソなど名だたる人たちは、おそらく奇人変人だっただろうと(笑)
それは蔑視ではなく、むしろその凄さに対する畏敬であり、尊敬であり、羨ましさでもあります。
そういう視点にたつといかに自分が凡人であるか、と思い知らされます。決して聖人君主ということではなく、”突出した”ものを持ち合わせてないと自覚することで、いい意味で自分に対して余計な期待をもたなくなりました(笑)
凡人には凡人なりの生き方や貢献の仕方があり、それを大谷翔平や、藤井聡太や、徳川家康のような大スターめざすなんて、おこがましいことを考えなくていいわけで、気持ち的にはだいぶ楽になります(^^)
小さい頃はいろいろ他の子供達よりでもできることが多かったためか、何か自分はちょっとできるんじゃないか、なんてのぼせていたときもありましたが、多くのすごい友人や知人とたくさん出会えたことや、自分のこれまでの歩みを振り返って、「世の中すごい人たちがたくさんいるんだ」ということを素直に受け入れられるようになりました。
この本を読んで「自分はイノベーターではない」ということを確信しました(笑)
多くの人達について言及しているのでとても興味深い内容でした。