箱根旅行の時に久しぶりに観てみました。
ラグビーワールドカップは南アフリカの優勝で幕を閉じ、テレビでは桜ジャージのプレーヤーたちがバラエティ番組中心にまだまだ引っ張りだこで余韻が残っていますね。
その南アフリカは今回が3回目の優勝になるのですが、自国開催のときに初優勝を飾っています。
この映画はその時の模様をドキュメンタリー風に描かれた作品です。
元々通っていたビジネススクールでリーダーシップを学ぶクラスで、「ネルソン・マンデラ」が課題図書になった際の副教材として紹介されたものです。
本はこちら:信念に生きる――ネルソン・マンデラの行動哲学
映画はこちら:インビクタス 負けざる者たち (字幕版)
アパルトヘイト 政策が国際世論から厳しい批判を受け、白人社会だった南アフリカについに黒人大統領が誕生します。
それがネルソン・マンデラ。
彼が就任した直後にラグビーの自国開催があり、南アフリカは前評判が低かった下馬評を覆して、当時ロムーという絶対的エースがいた王者オールブラックスことニュージランドに決勝で延長線で劇的な勝利をおさめ、初優勝をかざります。
少数派の白人に迫害をうけ続け、ついに黒人が表舞台にたちます。
白人は黒人からの復讐を恐れ、黒人はこれまでの迫害の恨みをぶつけようと緊張感が走ります。
南アフリカチームは「スプリングボクス」と呼ばれており、緑と金色がチームカラーです。
しかし長い間白人社会だったこの国では、そのネーミング、カラーなどは白人の象徴でした。
アフリカで白人社会から独立した多くの国が、白人すなわち欧米系の人たちを追い出し黒人社会を勝ち取る一方、白人が持っていた経済力や経営ノウハウなども国外へ流出してしまったことから、経済的に厳しい状況に追い込まれていることをマンデラ氏は見ていました。
彼は白人と黒人の協調こそが自国の発展に不可欠とし、黒人の人たちには「白人に対する赦し」を求めます。
ラグビーチームは白人の誇りでもあり、それをも奪うことは白人をますます追い詰めてしまうことになる。
マンデラ氏は新しい南アフリカの出発としてこのラグビーワールドカップに並々ならぬ情熱を注ぎます。
この映画の中で印象的なセリフがあります。
私は我が運命の支配者
( I am the master of my fate )
我が魂の指揮官なのだ
( I am the captain of my soul )
強い信念をここで感じることができます。
「自分の時間は人に支配されたくない」そんな思いが私の退職を後押ししたのですが、マンデラ氏ほどの強さはなくとも近い思いを感じます。
それから、マンデラ氏のボディーガードに白人のメンバーが加わった時のやり取り。
ボディーガードの黒人リーダージェイソン氏が
(やつらは)俺たちを殺そうとした連中ですよ
( not long ago, these guys tried to kill us. Maybe even these four guys in my office tried an often succeeded. )
とマンデラ氏に抗議します。
その時のマンデラ氏はこういうのです。
わかっている、赦しが第一歩だ
( Yes, I know. Forgiveness starts here too )
これ、なかなか我慢のいることです。
このブログでも何度か運営の難しさについて書かせていただきましたが、今私がチャレンジしているのがこの路線「信じる ( believe )」「受け入れる (accept)」なんです。
この映画にはこういった示唆がたくさん含まれているような気がします。
私は好きな作品の一つです(^^)
なお、この映画の監督はあのクリント・イーストウッド。
役者としても味がありますが監督としてもいい作品をつくりますね(^^)
また余談ですが、伝説のニュージーランドの絶対的エース、ジョナ・ロムーが活躍していたのがこの頃なんですね。
120kg近い体重にも関わらず100mを10秒5で走る、通称「暴走機関車」で、タックルが通用しなくてなぎ倒すように前進していきます。
この動画みていただくとその破壊力が伺いしれます。
彼は腎臓に疾患があり残念ながら40歳という若さでこの世を去っています。
今年のラグビーワールドカップでは「One team」や「ノーサイド」「フェアプレイ」といったスポーツの中では新鮮な概念が多くの人にもたらされた気がします。