48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書会〜「フューチャー・ネーション」

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今回の課題図書はハッサン・ダムルジ氏著の「フューチャー・ネーション」でした。

 

ハッサン氏はビル&メリンダ・ゲイツ財団の幹部で、コーポレートマネージメント、国際開発、教育改革を専門としている人です。

 

イラク人の父、アイルランド人の母を持ちイギリス育ち。

 

タイトルにあるように、地球に住む人々に向けた未来設計図を提案しています。

 

世界のリーダーであったアメリカ合衆国トランプ大統領になってから「自国優先」を掲げ、EUの主要国であったイギリスはEU離脱を決定、ロシアはクリミア半島を強制的に収用、中国も南沙諸島を始め強硬な軍事行動を展開、各国では移民反対など自国優先を掲げる政党が選挙で躍進するといった、「ナショナリズム」が台頭してきています。

 

そこで対比される「グローバリズム」は、決してナショナリズムと対極をなすわけではない、という見解から始まり、地球全体がある共同体として機能することは可能である、という見解とその姿を紹介しているのが本書です。

 

 

 

この本を読むと、世界が一つの共同体となり、どんな大国であってもその共同体によって統治されるようになったら、多くの州が集まったアメリカ合衆国だったり、都道府県ごとの自治がある日本のような形になって、戦争がなくなり、富の分配が進む世の中に変わっていくのではと期待したい気持ちがでてきます。

 

ただ今の世界からそのような世界に変わっていくための道筋はこの本には示されていません。

 

簡単に行かないのは、大きな壁があるからです。

 

ではどんな壁があるのでしょうか。

 

それは「欲」というのが私の感覚。

 

「欲」は人類が進化・発展をとげる上で欠かせない原動力だったと思います。

 

でもその欲があるために既得権にしがみつき、他社よりも優位にたとうとすることで、格差や不公平を生むことを「良し」とする人たちが為政者だったりするからです。

 

読書会では、そんな状況を打破するために必要なことは「共通の敵の存在」という意見ができました。

 

確かに共通の敵がいればチームはまとまりやすい。

 

では共通の敵ってなんだろう。

 

もっとも最近でいえばcovid-19、すなわちコロナウイルスです。

 

そしてここ数十年言われているのが地球温暖化(環境問題)でしょうか。

 

しかし、covid-19では世界が一つになるような動きは見られませんでした。

 

地球温暖化では思惑が入り乱れ、大国アメリカ合衆国京都議定書から離脱を宣言するなど足並みはまったく揃いません。

 

たぶん、本当の脅威になっていないからなんではないかと。

 

covid-19はあと1〜2年後には薬も広まり、感染は落ち着くだろうと思っている人は少なくないでしょう。

 

だからほんの少しの間だけ辛抱すれば、という程度なんです。

 

地球温暖化はその原因である化石燃料を商売としている大国アメリカ合衆国が、自国への事業への影響を懸念してか乗り気でない。

 

EUが設立したときは米ソ2大国家による支配体制に対抗できるための第3世界を形成し2大国家に好き勝手にさせないという、ヨーロッパにとっての共通の”敵”の存在がありました。

 

今はアメリカ合衆国、中国がともに脅威を感じて手を取り合う必要性が生じるような敵が存在していないと認識されているのだと思われます。

 

やっぱり宇宙人が攻めてこない限り無理なのかなぁ。。。

 

 

 

地球規模の国家をつくる上でのキーは「課税」と「武力行使」だそうです。

 

壮大な理想像。

 

自分が生きている間に実現することは極めて難しいと感じていますが、その方向に向かいっているかどうかの手応えを感じられたらいいなと思いました。