48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書会〜「世界の辺境とハードボイルド室町時代」

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なんつータイトルだろうと思いましたが、若干おちゃらけた風のタイトルではありますが、中身はかなり充実している、そんな読後の印象でした。

 

東アフリカで内戦が続き最貧国の一つと言われているソマリアやアジアなど、辺境と呼ばれる地域で独自の視点と行動力で文化を見つめる高野氏と、NHK「タイムスクープハンター」の時代考証をされていた日本中世史を専門とする清水氏という、本来なら全然専門が異なる2人が、なんと同じこといっているというあるツイッターをきっかけに対談が実現。

 

日本は「お上」の言うことに忠実でずっと封建社会で育ち、儒教や仏教の影響を受けて上意下達の文化に染まりまくり、明治以降からグレ始めた、みたいな印象を持っている人は少ないないのではと思います。

 

ところが清水氏によると、室町時代はすごいカオスだったらしい。

 

幕府、朝廷、荘園、村、地域などいろいろな社会が入り混じっていて、それぞれルールや正義が違う。

 

でも当時の人達は自分たちに都合のいいようにうまく扱って生きてきたらしい。

 

それがなんと今のソマリアを中心に住んでいるソマリ族とかなり似ているらしいのだ。

 

ツイッターでの指摘があって2人が話をしてみたら、意気投合したらしく、対談形式で本書の出版までしてしまった。

 

そんな痛快な話が第一章で紹介されています。

 

しかも「ソマリ社会」と「室町社会」がどれくらい似ているのかを実に多くの例を上げて紹介してくれ、これがとてもおもしろい。

 

すっかり第一章でこの本に魅せられてしまった。

 

第二章から話は脱線していきます(笑)

 

ただどれも「人とはどんな生き物なのだろう」という問いかけに対して、「こんな面があるかも」と思わせる視点をたくさん見せてくれます。

 

未来は「サキ」か「アト」か

恋の歌

新米と古米はどっちが高いか

イスラムの禁酒と江戸時代の禁酒

伊達政宗のイタい恋

男子厨房入るべからずはいつから

タイ屈指の宝くじスポット

 

などなどたくさんの調査結果について楽しく紹介してくれます。

 

人類文化を研究している人たちの視点の豊かさってすごいんだなぁ。

 

最後はお二人の研究スタイルと今後の貢献の仕方みたいな、ちょっと真面目な話をしていますが、決して固くない(^^)

 

 

 

雑学として、教養として知っておいても無駄でない話が盛りだくさんであること、先程も言いましたが、人類学者ゆえの視点の引き出しの多いこと、そんなところに注目してみると、このような本は楽しめます(^^)

 

アジア・アフリカ辺境を得意としている高野氏と日本中世史を専門としている清水氏という、異分野同士の二人だからこその楽しさもあるかもしれません。

 

ちょっと前までよく使われていった「化学変化」みたいなものもありそうです。

 

ここ最近読書から離れていたのですが、この本のおかげで本の楽しさを思い出させてくれたような気がします(^^)