今回の読書会の課題図書はこちら、「世界2.0 メタバースの歩き方と創り方」。
「お金2.0」の著者で現在株式会社スペースデータの代表取締役である佐藤航陽(さとうかつあき)氏の著作です。
佐藤氏は現在のメタップスという会社を立ち上げマザーズ上場を果たした実業家でもありますが、見識の広さと考察力の深さはすごい人、という印象です。
最近「世界で一番受けたい授業」というバラエティ番組でも2度ほど出演し、本書にかかれているメタバースについてわかりやすく解説してくれました。
さて、本書ですがタイトルこそ「メタバース」ですが、メタバースは序章というか導入口で、新しい世界はどう作っていくか、またどういう世界観があるのか、そしてそんな世界がこれから作りやすくなっていく、といった内容がメインです。
メタバースとは、「インターネット上につくられた3次元の仮想空間」とのこと(本書序章より引用)。
本書は序章から第五章、終章まで合計7つの章で構成されています。
通常2〜3ページで簡単にまとめられる序章ですが、本書の序章は48ページにもおよんでおり、メタバースとは何か、ということを技術、可能性、歴史などの視点から簡単に紹介してくれています。
メタバースについてはこの序章、第1章で述べられており、メタバースによって自分に心地よい世界をこれから自分たちが作っていけるという可能性について言及しています。
第2章と第3章では、新しい世界をどうやって作っていくのか、「視認できるビジュアルとしての”視空間”」と「社会的な機能と役割をもつ”生態系”」という2つの軸について披露しています。
第4章では「競争によって勝ち抜く」のではなく「新しい世界を開拓することでいきていく」という新しい生き方の世界について著者の持論が展開。
第5章では、これからというメタバースのその先について言及しています。
終章はあとがきのような位置づけです。
読書会では、「この本はメタバースとあるけど、世界観の話だよね」とか「メタバースが世界を変えるといっているけど、そうは感じない」といった意見がかわされました。
今世界を席巻しているGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)は実質ここ20年くらいの会社といってもいいでしょう。
Google 1998年創業
Apple 1976年創業だけどスティーブジョブスが復帰した1997年から復活
Facebook 2004年創業
Amazon 1993年創業
Microsoft 1981年創業(Windows95は1995年から)
イーロン・マスクのテスラは2003年創業です。
これから20年先で全く状況が変わっていることは十分可能性があります。
本書でも触れていますが、Facebookがメタバースに年間1兆円、10年に渡り10兆円を投資するとして、社名もMetaに変えるという衝撃的な発表が2021年にありました。
それでもメタバースについてはFacebookのはるか先をいくEpic Gamesという会社があって、Facebookが追いつけるか、勝てるかわからないといいます。
そしてこれからの主役は、新しいことをどんどん吸収できる子供たちが主役になっていくだろう、という視点も興味深いです。
著者の佐藤氏は私の想像ではおそろしく頭のいい人で(^^)、信憑性云々というよりも、それだけ頭のいい人がどんな世界を観て、どんなふうに感じているのかを話を聞かせてもらうような気持ちで本書を観ると、とても楽しめると思います。
私は今回時間がなくななめ読みをしてしまいましたが、今度改めて読み直しみてみようと思います。