アガサ・クリスティーの代表作の一つで1945年に映画化されたアメリカ映画です。
原題は「And Then There Were None」。
それぞれ過去に殺人に関連する過去をもっている10人が事実上の無人島に集められるだが、童謡「10人のインディアン」を連想させられるように次々と殺されていきます。
原作では最後の1人も半狂乱になって首をつって自殺するのですが、この映画は後にアガサ・クリスティー本人が作った戯曲と同じ結末になっていて、原作とはちょっと異なります。
推理小説なので、ネタバレは控えます(^^)
時代が時代(なんせ第二次世界大戦が終わった年ですからね)なので、全体的に照明が足りない(笑)
演技もどことなく古い感じはありますが、それは楽しめる範囲にあるかと。
私にとってもう一つの映画の目的である英語ですが、いろいろな癖があるなぁということを感じられたことと、少しずつ耳に入ってくるセリフが増えてきているような気がします。
(気がしているだけ、だとは思うんですが)
登場人物は執事付きの宿泊施設に泊まるのですが、浴室が2つの個室に挟まれていて共用になっていました。
ちょっとしたシェア空間です(^^)
ここで「お風呂どうぞ」というときに
Bath room is yours!
と声かけていました。ほ〜、確かにこれなら簡単に伝わりますね。
この物語は「見立て殺人」というジャンルになるらしく、「10人のインディアン」という童謡の歌詞に沿って人が死んでいく、という流れになっています。
そのキーとなる「10人のインディアン」はマザーグースの「Ten Little Indians」を元にしているみたいです。
Ten Little Indians | Family Sing Along - Muffin Songs
この物語ででてくる歌詞はなかなかです(^^)
10人のインディアンがのどを詰まらせて9人になった
9人が夜ふかし1人が寝過ごして8人になった
8人のインディアンがデヴォンを旅し1人がそこに残り7人になった
7人のインディアンが薪を割っていて1人が自分を割って6人になった
6人のインディアンが蜂の巣をいたずら1人が刺され5人になった
5人のインディアンが法律を勉強し1人が裁判所に入って4人になった
4人のインディアンが海に行き1人が燻製ニシンに飲まれて3人になった
3人のインディアンが動物園を歩き大きなクマが1人を抱きしめ2人になった
2人のインディアンが日向ぼっこし1人が日干しになって1人になった
1人のインディアンは首をくくってそして誰もいなくなった
というもの。
「燻製ニシン」って(笑)
なんか不自然だなと思ったのですが、実はこれ、英語だからこその伏線なんですね。
英語ではred herringといっていて、herringはニシンのことでredは燻製されたことを表しているので「燻製ニシン」となるそうです。
強い臭いを放つ燻製ニシンを使って猟犬のトレーニングをしたというところからきているらしいですね。
そしてこのred herringにはもう一つの意味があります。
a fact or idea that is not important but is introduced to take your attention away from the points that are important
(ロングマン英英辞典より)
大切ではないけれど、重要なポイントから気をそらさせる事実や考え方
という意味、すなわち「何かだまくらかしているところがある」ということを暗示しているようなんですね。
燻製ニシンはインディアンが4人から3人になるところで登場するので、4人残って次に死んでしまう人が何かしら「だまし」にあっている、かもしれない、という暗示ととらえられるんです(^^)
お、っとあまりネタバラシしてはいけませんね。
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過去の劇場公開された映画はNetflixよりもAmazonの方が充実していますね。
それに対してNetflixはオリジナル作品、単独配信の作品がとても多く、かつクオリティが高いことが特徴、という印象を最近持っています。
Amazon Prime Videoは、映画の物流さえも革命を起こしましたが、Netflixは自身が映画を作って自身がネットで配信するということで、映画業界そのものに革命を起こした感じかな。
たまにはこういった古い作品もいいと思います(^^)