先日ハウスメイトから「これ読んでみてください」とお借りした本。
推理小説っぽい、サスペンス系の小説とのことで早速手にしてみました。
のっけからセックスの描写から始まる出だしに、いきなりたまげます(笑)
ある程度ページが進んで次の章にくると、場面が大きく変わり登場人物も変わります。
主人公の”今”と”過去”、主人公が登場してこない別の場面という3つのシーンが小刻みに入れ替わって表れます。
この3つの場面、どうつながるのか読んでいても皆目検討がつかない。
そして最後になってやっとこの3つがつながることになります。
そして、「え〜!」という感想(^^)
私は初めてでしたがこの手の小説を「叙述トリック」というそうです。
叙述トリックとは、読者の先入観や思い込みを利用し、一部の描写をわざと伏せたり曖昧にぼかしたりすることで、作者が読者に対してミスリードを仕掛けるトリックである。
(引用:叙述トリックとは (ジョジュツトリックとは) [単語記事] - ニコニコ大百科)
そうなんです、私の思い込みが最後に「え〜!」という感想を引き起こしたのです。
Amazonのレビューを観てみたら、賛否両論ありました。
ある意味健全な評価。
私は「叙述トリック」の小説は初めて読んだので新鮮でした(^^)
「あ〜、やられた〜」という感じですね。
ストーリーの展開は楽しめました。
電車での移動時間で読んでいましたが、最後は寝る前に布団の中で最後まで一気読みしてしまったくらい、次の展開が気になってしょうがなくなってしまったんです。
ただ「叙述トリック」にするために挿入されたシーンに、後から考えるとちょっと違和感を感じる部分も若干あります。
麻宮さくらがラブホから男と一緒に出てくるところと、それを目撃した主人公成瀬将虎がデリヘル系の女性をつれてラブホに行って事を行うところ。
世の中でなくはないだろうけど、ちょっと無理がないかなぁ。。。(^^;;
このシーンは最後の謎解きでも関連があるところなので、なくすわけにはいかないんだろうけど。。。
どういうシーンかは、本を読んでのお楽しみに(^^)
本書は2004年に第57回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞、第4回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞をしている作品で、著者歌野 晶午(うたの しょうご)氏にとっては出世作となったかもしれません。
上杉鷹山を読んでから、それまで「刑事コロンボ」や「名探偵ポアロ」を観ていることもあり、小説に触れる楽しさを感じていて、本書もその流れで楽しく読むことができました。
あ、「叙述トリック」の本は、「叙述トリック」の本であることを意識してしまうと楽しみが激減してしまうため、本の紹介ではその旨には触れないのがマナーのようです。
なので、このブログで明かしてしまいましたが、本書を読むときはまっさらな気持ちで推理小説の1つとして読まれることをおすすめします。(^^)