48歳からの挑戦

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映画鑑賞〜「スターリン葬送狂想曲」

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(画像:Amazon Primeから引用)

 

先日BS NHKで放映されていたものを録画して視聴しました。

 

原題はThe death of Stalin、すなわち「スターリンの死」なのですが、大国ソ連を築き上げた最大の権力者スターリンが亡くなってからフルシチョフが権力を掌握していくまでの過程を、コミカルに描いていることから邦題では「狂想曲」という言葉が入れられたのかもしれません。

 

上の写真で中央はスターリン、右は次の権力者フルシチョフ、左手前はスターリン死後の暫定書記長を勤めたマレンコフ、左奥はフルシチョフと激しい権力争いを演じるベリヤ。

 

舞台はソ連ですが、監督がスコットランド、俳優たちはほぼアメリカ・イギリスの役者なのでセリフはすべて英語です。

 

ソ連で実際にあったであろう激しい権力闘争をホラーの要素を取り入れたコミカルな演出をすることで、重々しい内容のはずが娯楽映画になったような感じです。

 

冒頭コンサート会場にスターリンが直接電話をいれ、コンサートを録音したレコードがほしいと要求。

 

ところが現場監督は録音をしていなかったことから大騒ぎ。

 

ここでスターリンの絶大なる権力とその恐ろしさを描いています。

 

ところが映画ではすぐにスターリンは倒れて亡くなってしまいます。

 

そう、この映画はスターリンの恐怖、ではなくその後の権力闘争を描いているんだということがその後にわかります。

 

粛清の先頭をきっていたベリヤが最初に権力を握りますが、それは各幹部を処分できるに値する弱みを記録した書類をおさえていたから。

 

情報戦はここでも繰り広げられています。

 

しかし恐怖で自分たちを抑えつけようとするベリヤに他の幹部が不満をもったところをうまくフルシチョフは、一気に形勢逆転をはたします。

 

その逆転劇はなかなかおぞましいです。

 

そんなフルシチョフも10年後にはブレジネフに取って代わられるのですが、最後のシーンでそのブレジネフと思われる(よく似ている(笑))人物がフルシチョフを見下ろすシーンで終わることで示唆しているように感じます。

 

 

 

この映画で印象的だったのは、キャスティング。

 

メイクや衣装のおかげでもありますが、実に本人に似せようという演出や演技が見られます。

 

まずほとんどイギリスやアメリカの俳優なのですが、みんなロシア人にみえちゃう(笑)

 

フルシチョフ演じたスティーブ・ブシェミなんて、この役のために禿頭にしたと思われます。

 

翌年「ナンシー」という映画では髪の毛がだいぶ生えてきていますから(^^)

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(画像:Amazon Primeから引用)

 

ロバート・デ・ニーロが「アンタッチャブル」という映画でアルカポネの役をやったときに、禿頭にするため髪の毛を抜いたという聞いたことがあります。

 

たぶん同じことやったんでしょうね。

監督・脚本がアーマンド・イアヌッチというスコットランドの人で、イギリスではコメディ作家として成功した人のようです。

 

その色がこの映画には随所にでているようで、所々に風刺的なコメディーの要素があり、あまり重々しく感じないで当時の権力闘争の様子を伺うことできる、そんな映画かもしれません。

 

人の欲、というものはつくづく恐ろしい結果を生みかねない、そんなことを語っているような気がします。