今回の読書会の課題図書はこちら「人新世の『資本論』」でした。
最初に述べますが、途中で読むのをやめました(^^;;
あくまでも個人的な感想ですが、読むに耐えられなかったからです。
本の趣旨としては、「行き過ぎた資本主義は地球そして人類を破滅させる。今こそマルクス主義を見習い脱成長路線に行くべきだ」ということを主張したいのだろうと解釈しました。
(なんせ途中で読むのをやめちゃったので(笑))
著者は文末に数多くの参考文献を掲載しているし、実際文中でもたくさんの引用をしていて、非常に多くの文献に目を通しそして著者なりに解釈できるだけの、高い理解能力を感じさせます。
しかし・・・
私がこの本を読むに絶えずに断念したのは以下の理由です。
- 「この世の考え方はマクセル以外にありえない」「金持ちは一般人から資産を搾取したから金持ちとなり経済力をつけ世の中を支配している」ということが前提としていること
- 断定調の表現が多く、異なる意見は一切受け入れる余地がないという姿勢が見られる
- 主観的な形容詞が多く、アジテーションの雰囲気を感じる
- 評価・結論に至る過程で飛躍が多く理解しずらい
俗っぽい言い方をすれば
世界のほんの一部の金持ちがその経済力を振りかざし我々から資産を搾取することで甘い汁を吸っていることは間違いがなく、その仕組を支えている資本主義は地球、そして人類を破滅に追い込むやりかたであり、マルクス主義が唯一その状況を脱するための思想である。
そんな感じです。
あくまでも印象ですが、全体像ではなく、ある一面を切り取ってその揚げ足をとり、ディベートで勝ち誇っているような印象をうけるんですよね。
読書会で参加者の人達と話をしていたときに、出てきたのは「カルトってこんな感じかもしれない」ということ。
相手の意見は最終的には受け入れるのではなく喝破するスタンスなんだろうなぁ。
この本が数万冊売れているらしく、とちょっと不思議な感覚ですが、それもある意味多様性。
ただ、私は苦手だなぁ、このタイプ・・・