イギリスがコロナの感染者が拡大する中、「規制を緩和する」方針を発表し、「イギリスの挑戦」として注目を集めています。
ロイターが各国のコロナ感染者数、死亡者数、国の対応などをまとめてDailyで発表しています。
このサイトからイギリスの状況をみてみるとこんな状況です。
感染者数の最近の上昇はすごいですね。
ちなみに比較対象として日本のデータをあげておきます。
7月16日時点で感染者数は3,431人、死亡者数は9人。
対してイギリスは、7月17日時点で感染者数53,969人、死亡者数41人。
日本と比べて感染者数は15.7倍、死亡者数は4.6倍です。
人口比率は日本がイギリスに対して約1.9倍なので、発生確率的にみればイギリスは日本より感染者数は約30倍、死亡者数は9倍、という数値です。
日本では東京での緊急事態宣言を始め、可能な限りの規制をしいていますが、イギリスでは逆に緩和しようとしています。
なぜか。
いろいろな視点があると思いますが、ポイントの一つは死亡率。
死亡率=死亡者数÷感染者数、と定義した場合、先程のデータから見ると日本は0.3%、イギリスは0.08%とかなり低くみえます。
一時期ひどかったインドは2.1%まであがりましたが、現在は1.5%くらいまでさがってきています。
最近深刻化しているインドネシアは2.1%。
コロナウイルスがなぜ恐れられるのか、それは死に至る恐れがある、というのが最大の理由だと認識しています。
日本でも著名な人があっという間に命を落としたというニュースが昨年報道され、こういった認識を肯定するのに十分な印象を与えられたと思います。
そのリスクが下がってきたなら、規制を緩和して経済的な影響を最小限に留めるほうがいいのではないか、ざっくりいえばイギリスの挑戦はそういう内容というのが、私の理解。
仮にコロナに感染しても重症化せずに済むのなら、治った後は抗体ができている可能性が高く、それ自体ワクチンを摂取したことと同じ効果だったりします。
それがいわゆる「人の壁」となって感染拡大を食い止めるのではないか、そんな考えがあるかもしれません。
第一次世界大戦を終わらせたとされるスペイン風邪(インフルエンザ)も最終的には罹患した人たちがもった抗体で人の壁ができて収束したのでは、という見方もあるようです。
もし今回のイギリスの挑戦が効果を見せるようだと、かなり注目ですね。
ただ、重傷者や死亡者がゼロになるわけではなく、ある程度の確率で発生することはかわりなく、その確率が下がる、ということにすぎないので、是非については判断はかなり難しいと思います。
ただ昨今の飲食店や旅行業界などの悲鳴をきくにつれ、こういった挑戦が功を奏してくれないだろうか、という気持ちもあります。
一方で大失敗する恐れもあり、対岸の火事には思えない話ですね。
先日野球部とは関係ない学校の関係者がコロナに感染したという理由で、高校野球の大会を辞退したという悲しいニュースがありました。
良くも悪しくもイギリスの取り組みは注目です。