今回の読書会の課題図書はこちら。
変化の早い環境で事業が生き残っていくためには、「ソフトウエア」を軸にしていかないとならない、ということをまとめた本です。
2019年10月発行。
第1章:ソフトウエア・ファーストとは何か
第2章:IT・ネットの”20年戦争”に負けた日本の課題と光明
第3章:ソフトウエア・ファーストの実践に必要な変革
第4章:これからの「強い開発組織」を考える
第5章:ソフトウエア・ファーストなキャリアを築くには
という構成で成り立っています。
私がこの本を読んで感じたのは
- ソフトウエアに対する意識的なハードル
- 「サービス」内容の変化
でした。
1. ソフトウエアに対する意識的なハードル
20年前に某大手電機メーカーで”ハードウエア”製品のプロジェクトマネージャーをしていた私の体験に照らし合わせてみると、ここに書いてあることの大半はハードウエアの話としても受け取ることができます。
いってみれば、それほど目新しい話ばかりではない、という印象です。
ですが、「ソフトウエア」への対峙なしに今後の事業はありえない、と言っても過言ではないことをこの本は示唆してくれています。
「ソフトウエア」と聞くと、どんなイメージでしょうか。
プログラミング、という言葉がすく浮かんでくると思います。
そう、「ソフトウエア」はプログラミングができないとわからない、という意識を持っている人が私含め少なくないでしょう。
なので「ソフトウエア」イコール「わからない世界」になっちゃってる。
では「ソフトウエア」を理解するためにはどうしたらいいか。
「勉強する」しかないんですね(^^)
実はこれが大きなハードルの一つではないかと感じています。
私もそうでしたが、会社での仕事は「体験」を通じて技量をあげていくのがスタイルでした。
恥ずかしい話ですが、私は入社してからほとんど本を読まなかったし、机に向かって勉強することはしませんでした。
それでも会社の仕事を通じて知識・技術を習得することができて、入社して10年で管理職に昇進しプロジェクトマネージャーを任させてもらえました。
しかし今から思えば、勢いで仕事していたけど、基本的な技量がないことでパフォーマンスが発揮できていなかったと思われることがたくさんあります。
プロジェクトマネージメントにしても、経営管理にしても、後にMBAを学んだことで、当時いかに自分が多くの基礎知識を持たずに仕事をしていたか、と思い知らされました。
そう、「学ぶ」ということは必要不可欠な行動、という当たり前のことができていなかったんです。
ソフトウエアは、学生時代に学んだ経験がないとそう簡単に理解できるものではありません。
少なくとも基本を「学ば」ないとわからないんですよね。
「学ぶ」行動に抵抗がない人ならいいですが、「会社のことで今更勉強なんて・・・」という人はおそらくたくさんいて(^^)、それがソフトウエアに対するハードルになっているんじゃないかな、と感じました。
2. サービス内容の変化
以前は、我々は主にハードウエア(「物」)を商品として購入することで、サービスを享受してきました。
すなわち「物」を買うことでサービスの目的は達することができたわけです。
ところが、最近は購入する対象が、「物」から「体験」に移ってきています。
例えば映画。
以前は映画をみるためには映画館に行って、チケットを買って映画を楽しみました。
「映画を観る」というサービスを享受するために「映画館が発券するチケット」という「物」を買っていました。
ところが、観たい映画がいつも映画館にあるわけではありません。
上映している映画館があったとしても、上映時間が決まっているのでそれに合わせないといけません。
そこで、単に「映画を観る」から「いつでも好きなタイミングで観たい映画を観る」ことをできたら、それを便利だと思う利用者がたくさんいた、まさにそれがNetflixであり、Amazon Primeです。
人が期待する「体験」は、千差万別で変化も多様で早いです。
そのようなサービスを「一度できあがったら変えることができない、”物”」で提供することは無理。
ソフトウエアでないと実現できないサービスの例です。
パソコンやスマホにしても、以前はその端末自体に写真やファイルといったデータを記録していましたが、今はクラウド上の記憶装置に記録することが主流ですね。
するとパソコンやスマホ自体はデータ容量をたくさん持つ必要はないし、壊れたとしても簡単に端末を交換できます。
記憶装置という「物」だけでなく、それを「いつでもどの端末からでもアクセスできる」という「体験」に利用者がお金を払っています。
自動車は昔はメカニックな「物」でしたが、今や制御システムは内蔵されているコンピューターに依存していて、仕様はソフトウエアで実現されています。
無視できなくなったソフトウエア
事業をする立場にいる人は、これからソフトウエアをブラックボックスのままでいることはかなりのリスクを伴うことだという警鐘をこの本では語っています。
私のような1人社員という極小会社でも、ソフトウエアは避けて通れません。
ホームページのメンテナンスもHTMLとCSSを使って自分でソースコードを書いているのはその一例でもあります。
この本を読んで先日自分の事業をどう展開していくか、ということをじっくり考察して洗い出してみたところ、自分でソフトウエアに取り組まないと先に進めない、ということが判明。
これはもう逃げられないな、と覚悟し先日Progateというプログラミング学習サイトに登録をして勉強始めました(^^)
まずはHTMLとCSSの基礎を復習するために、初級コースを受講して終了。
自分で行動を起こせたので、それだけでも私にとってはこの本を読んだ意味がありました。