48歳からの挑戦

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読後感想〜村上海賊の娘(1)〜(4)

 

今回読んだのは、和田竜氏原作の「村上海賊の娘」第1巻〜4巻です。

 

信長が大坂本願寺を攻め入る第一次木津川口の戦いで、当時瀬戸内海に勢力をはっていたいた村上海賊の当主村上武吉の娘「景」が主人公です。

 

第一次木津川口の戦いは、「戦国時代、織田信長本願寺顕如との間で十年にわたって争われた石山合戦における緒戦の一つ。毛利方の水軍の使用する焙烙玉・火矢の前に織田方の水軍は壊滅的な打撃を受け、石山本願寺への兵糧など物資の搬入という目的を毛利方が果たす結果となった」戦争です。(Wikipediaより引用)

 

信長側には泉州(大阪)の海賊眞鍋家が加勢し、本願寺側には本願寺が毛利家に助けを求めたことからその支配下あるいはその近くで勢力を誇っている村上海賊が加わることになり、さながら泉州海賊と村上海賊との戦いがメイン舞台となります。

 

ハードカバーで上下2巻、文庫本で4巻という長編歴史小説です。

 

文庫本だと343、327、358、363ページとまあまあのボリュームですがわずか半月で読了してしまいました^^;;

 

それだけ私にとっては面白い小説だったんです。

 

私なりにこの小説の面白かった点をいくつか上げたいと思います。

 

二転三転どころではない展開

 

海賊の物語なので、戦いの描写が中心です。

 

ほぼわずか1日の戦いですが、文庫本第2巻から木津川の戦いが延々と続きます。

 

この小説の大半を占める戦いのシーンは泉州海賊が有利になったかと思えば、村上海賊が有利になったり、その逆もあったりで戦況が目まぐるしく変わります。

 

どっちに勝負の女神が微笑むのか最後までわからない描写がされています。

 

なので読み進めていくと次の展開が気になってしょうがない(^^)

 

戦争しているのにコミカル

村上海賊と戦う泉州海賊は、「面白い」ことと「アホ」であることを誇りにしているので、生死をかけて戦っている最中でも「おまえ何やってんねん、どあほ」みたいな掛け合いがたくさんでてきます。

 

戦っている武将はみな何か余裕をもっていて、先をみこしていたり、からかったり、ごけたり、と戦争に見られる悲惨さというものを感じさせないんですね。

 

NHK大河ドラマのようなシリアスな展開はまったく感じられず、キングダムなどのアニメのような展開です。

 

そして主人公村上海賊の娘、景(きょう)が、これまた不死身なんです(^^)

 

最後は失血死してもおかしくないくらいの大怪我を負いながらも、泉州海賊の親玉(ラスボス)との一騎打ちに勝ってしまう、という化け物ぶり(笑)

 

このアニメのような構成が、歴史小説としてはかなりユニークでした。

 

 

史実をベースにしているリアル感

文中でよく、「資料〇〇には〜〜と書かれている」という記述があるように、作者は史料をたくさん引き合いに出しているので、登場人物の行動が史実に基づいているかような印象をうけます。

 

それがとてもリアル感を生み出しており、どの部分までが史実でどこが小説として演出されているのかがわからない(笑)

 

登場人物はほとんどが実際に存在した人物だが、主人公の景は存在していたかどうか不明らしい。

 

それでも1人1人の身体、性格といった描写がとても丁寧なので、人物像が浮かびやすく、さながら当時に本当にあった話のように聞こえてきます。

 

 

 

 

和田竜氏の他の作品を読みたくなりました。