48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

NHK歴史探偵〜岡本太郎

私が好きで観ているNHKの番組の一つが「歴史探偵」。

 

歴史秘話ヒストリア」という番組の後継番組で、俳優の佐藤二朗NHKの歴史大好きアナウンサー渡邊佐和子アナがMCをし、日本の歴史学者河合敦氏が解説をする番組です。

 

河合氏は「教科書に載せたい日本史、載らない日本史」や「禁断の江戸史」などの多数の著書があり、これまで知られていなかった歴史を紹介してくれるユニークな学者さんで私も好きな学者の一人です。

 

www.almater.jp

 

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毎週水曜日の夜10時半くらいから放送しているのですが、7月末の放送では珍しく”現代”で、しかも対象が芸術家の「岡本太郎」がテーマでした。

 

この回ばかりは歴史学者の河合氏はお休み(^^)

 

 

 

 

岡本太郎といえば、大阪万博で展示された太陽の塔が有名ですね。

(画像:太陽の塔オフィシャルサイトより引用)

 

今はこのように公園の中で展示されています。

 

大阪万博のときは、丹下健三がデザインした屋根を突き抜くような配置をされていました。

(画像:太陽の塔オフィシャルサイトより引用)

 

 

 

番組では、岡本太郎の、太陽の塔をたてるに至った経緯、太陽の塔に秘めた思い、万博後の思いを取材を通して紹介していました。

 

太陽の塔をたてるに至った経緯

実は岡本太郎はテーマプロデューサーという立場で芸術家として作品を提示する立場ではなかったんですね。

 

では、誰が岡本太郎太陽の塔を作ることを要請したのか。それは岡本太郎自身だったんだとか。自分で「作る」と言い出して強引に話を進めたらしい(^^)

 

メイン広場では、当時の建築家の第一人者の1人であった丹下健三が未来都市をイメージした屋根をデザイン。岡本太郎はよりによって、その壁を突き抜けるアイデアをぶつけてきたといいます。

 

当時のスタッフは天下の丹下健三の作品をいじるなんて滅相もない、と猛反対。ところが肝心の丹下健三が「それでいこう」と言ったものだからスタッフはさらに大慌て。

 

実は丹下健三岡本太郎は作風が180度違うと言われるくらいタイプを異にしたらしいのですが、丹下健三が自分にはない才能をもっている岡本太郎を認めていたらしく、実は万博に巻き込んだ張本人が丹下健三だったそうです。

 

 

太陽の塔に秘めた思い

太陽の塔は何をモデルにしたのか。岡本太郎関連の著作では、いろいろな説がかかれていたようですが、番組では岡本太郎がデザインを決めるために書き溜めた下書きを初公開しそのなぜに迫りました。

 

数百枚にも及ぶその下書き、それは「植物の木」が原題となっていたようです。

 

自然と人とのかかわりを大胆に表現し、万博のテーマであった「人類の進歩と調和」という技術の発展が人類を平和にする、という方向に猛烈に反発。

 

調和のとれた丹下デザインの大屋根を、自然の木の生命力が突き抜けるデザインにし、一種の緊張感をもたらしたと専門家は評価しているようです。

 

今から50年も前に、今にも通じる自然と人類の関わりを見据えていたその眼力の凄さに驚きました。

 

万博後の思い

万博の展示品は開催期間終了後6ヶ月以内に撤去することになっていました。

 

しかし、万博が終わってからも多くの人たちから「太陽の塔の保存」を求める嘆願書が届けられたのだそう。

 

その多くが実は子どもたちだったらしいです。

 

万博の内容は覚えていないけど太陽の塔はずっと覚えている、当時子供だったころを思い出してインタビューを受けている方が何人かいらっしゃいました。

 

岡本太郎自身は、一度作った作品を残そうという気持ちは微塵ももっていない人なんだそうです。ぜんぜん自分の作品に執着しない。

 

だから太陽の塔が壊されることはまったく気にしていなかったんだそうですね。

 

ところが多くの嘆願書の願いが届き、ルールを変えてまで太陽の塔の保存が決まりました。今で言えば大谷翔平によってオールスターのルールがかわっちゃった、みたいなところでしょうか(^^)

 

当の岡本太郎本人はこの保存の決定について、保存が決まった事自体はなんてことはないけど、子どもたちがこれを観て感じてくれたのはいいね、と言っていたそう。

 

 

 

 

岡本太郎は、彫刻だけでなく絵画、書道、写真など多彩な活動をしていて「あなたの本業はなんですか?」と訊かれたときに「職業は人間だ!」と答えたといいます。

 

人類が技術に溺れていい気になっていることに警鐘をならし、それでいてものへ執着せず、自分はただの人間であるとある意味謙虚であり、そしてそれを表現する力を身につけるための努力を惜しまなかった人物、それが岡本太郎という人物だったんだ、ということを、太陽の塔にまつわるエピソードだけしかみていませんが、感じられました。

 

私は芸術のセンスはかなり乏しいと思っていますが、この岡本太郎という芸術家にはとても興味を持ちました。

 

今度なにか書物見つけて読んでみよう。。。