今回鑑賞した映画はこちら。
ビリー・クリスタル監督・主演のコメディ要素満載の映画です。
2021年に映画化されたアメリカ映画で、アラン・ツァイベルが2011年に発表した短編小説「The Prize」を原作としているそうです。
英語の現代は「Here Today」。
主人公はビリー・クリスタル演じるコメディアンの大御所チャーリー・バーンズ。
日本で言えば、萩本欽一や志村けん的な存在でしょうか。(たけし、タモリ、明石家さんまとはちょっとイメージが違う)
そんなチャーリー・バーンズとランチを一緒にできる権利がオークションで落札され、チャーリーはレストランで黒人女性エマ・ペイジと出会います。
実はエマ、コメディのこともチャーリーのことも知らなくて、コメディアンを目指していた元カレが落札したという権利をちゃっかり頂戴したらしい。
その落札価格は、なんとたった22ドル(日本円にして2500円くらい)。
初対面だったそのレストランでいきなりのトラブルに見舞われ、それがきっかけとなって、チャーリーとエマは不思議な関係を築いていきます。
エマはストリートシンガーで、クラブを回ったり、ストリートパフォーマンスとして歌ったりしているシンガー。
チャーリーは妻キャリーをかなり前になくしており、娘フランシーンは結婚して孫リンゼイがいます。チャーリーの息子レックスは建築デザインの道を進んでいます。
なんの変哲もないチャーリーの生活環境ですが、妻キャリーを亡くした経緯、そして今自分が抱えている問題によって苦しむ毎日を送っていました。
この映画はそんな問題に向き合っていくファミリー映画です。
この映画の何がいいかいえば、「愛」に溢れている、ということに尽きます。
人を愛するということ、愛されるということをユーモア交えて見事に表現してくれて映画で、「愛に包まれたい」と感じている人は是非見て欲しい映画と思いました。
また、監督・主演のビリー・クリスタルがコメディアンであることから、セリフの至るところにユーモアが溢れていて、会話がとてもここちいいです。
直接的でなく、ユーモアでふわっと包むような表現はどちらかというと好きな方で、日本の表現よりも英語圏の表現の方が優しさを感じるのは、私の主観かもしれません^^;;
日本の含み表現には嫌味をかんじるんですよね〜(笑)
この映画にでてくるようなセリフは思わずくすっとしてしまうユーモアを持っていて、こんな表現ができるといいなぁ、なんて思います。
性的描写も暴力シーンもなく、感情移入するところがたくさんあって涙流しながら鑑賞できる映画かな、と。
個人的には主人公チャーリーの人生に訪れることが自分の近い将来にもあり得ることでもあり、自分がチャーリーのように愛情持った行動をとれるのだろうか、と自分の器のサイズに不安を感じています。
原題である"Here Today"は、"We are here today."のことで、この"We"はチャーリーのFamilyとEmmaと亡くなった妻Carryのことなのかな、というのが私の勝手な解釈。
「私達は今ここにいる」・・・
素敵な映画でした。