今回観た映画はこちら。
コリン・ファースとスタンリー・トゥッチという名優2人が、”愛”の一つの形を表現している映画です。
前回、「ブロークバックマウンテン」で同性愛を舞台にした恋愛の形を視聴しましたが、今回も奇しくも同性のパートナーの関係が舞台となっています。
しかし、ブロークバックマウンテンが比較的「恋愛」の要素が強く感じる一方で、この映画では普遍的な「愛」の要素が強く表現されている気がします。
ピアニストのサム(コリン・ファース)と作家タスカー(スタンリー・トゥッチ)は長年連れ添ったパートナー同士。
映画は2人がキャンピングカーでドライブしているところから始まります。
余談ですが、この映画はイギリス映画ということがすぐにわかるのが、この冒頭のシーン。なぜなら車が左側通行で右ハンドルだから(^^)
ちなみに、コリン・ファースはイギリスの俳優で、スタンリー・トゥッチはアメリカの俳優及び映画監督です。
2人がなぜキャンピングカーで旅に出ているのか、2人はどういう関係なのか冒頭ではわかりません。
段々と、2人はパートナー同士であること、そしてタスカーが認知症になり症状が進行していることがわかります。
自分の惨めな姿をみせたくないし、大切なパートナーに迷惑をかけたくないというタスカー。
大切なパートナーと片時も離れたくないというサム。
2人は相手のことを最大限に思いつつも、相手に対する自分の気持ちを抑えることができません。
葛藤しながらどうしようもない現実と大事しなければならないという残酷な状況に立たされた2人を、コリン・ファースとスタンリー・トゥッチが見事に演じています。
なかなか見事な作品です。
タイトルになった「スーパーノヴァ」とは、「超新星」のことを意味します。
超新星とは、宇宙にたくさんある比較的重量のある星が大爆発して明るく輝き出す天体のことをいいます。
つまり、星が死んで光り輝いたもの、です。
重量でいえば太陽の数十倍から数百倍という重さをもった大きな星です。
病に侵されたタスカーは天体にとても詳しく、サムやサムの姪などに詳しく丁寧に教える様子が描かれています。
死を意識するタスカーと超新星になにか重なるものがあるのか、よくよく噛み締めてみないとわからないのですが、死してなお魂生きる、みたいなことなのかなぁ。
コリン・ファースは、「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズ、「英国王のスピーチ」、「マンマ・ミーア」、「裏切りのサーカス」など数多くの作品に出演している名優。
スタンリー・トゥッチは、このブログでも紹介した「マージン・コール」、「スポットライト 世紀のスクープ」でもいい存在感を出している役者さんです。
2人の演技も抜群ですが、ラストに流れるエルガーのSALUT D’AMOUR(邦題:愛の挨拶)の旋律、イギリス郊外の美しく穏やかな自然風景がいいアクセントになっていて、ぐっと2人の演技に引き込まれる感じです。
全編で1時間半と手頃な長さです。