たまたま食事をしながらNHKプラスで観ていた「チコちゃんに叱られる」。
そのお題の一つに「砂浜にかかった水は吸い込まれるけど、なぜ海の水は吸い込まれないのか」という問題がありました。
一応答えは「海水の水圧が高いから」ということでした。
地球上の砂は隙間が多いから水を含んで、海底は硬い岩石で覆われているから、と想像する人は少なくないと思います。(私もそんなイメージでした)
ところが、石でも水をかけると時間とともにしみこんでいくそうです。(実験では11時間で15センチメートル染み込んでました)
じゃあ、海底の水も染み込むんじゃないの?
そう、実際は染み込んでいるだそうです。
でも水圧が高いため、染み込みにくい、ということらしいです。
ところが・・・
2017年に広島大学の片山教授が、海の水がどれくらいなくなるのかを定量的に計算をした結果を論文で発表したところによると・・・
実は海水は毎年2.5兆リットル(25億トン)が岩石にしみこんで、そのうち2.3兆リットル(23億トン)が地球の中に吸い込まれているらしい。0.2兆リットルは火山活動なので地表に戻されます。
どんだけの量・・・
ちなみに今地球上にある海の量は、14垓(がい)リットル。
垓?聞いたことない単位ですね。
1万の1万倍が1億。
1億の1万倍が1兆。(ここまではわかる人が多い)
1兆の1万倍が1京(けい)。
1京の1万倍が1垓。
つまり、1兆の1億倍ということ。
番組によると、2リットルのペットボトルにいれて縦に並べると・・・
スカイツリーを超えて、
富士山を超えて、
エベレストを超えて、
宇宙にでて、
月を超えて、
太陽系を超えて、
銀河系の中心にまで到達するくらいらしい。。。。
すなわち、それだけ海水があるのですが、計算上は6億年たつと海水がなくなってしまう、という計算になるといいます!
地球の内部にはマントルという巨大な層があるのですが、ここには地球の海水5杯分を吸い込むだけの容量があると言われているそうです。
通常はマントルに染み込んだ水のうち約1割にあたる、0.2兆リットルは、火山活動や水蒸気爆発などで再び地表に戻ってくるらしいのですが、どうも最近地球が冷えてるため、戻りが悪くなっているらしい。
冷えてる?
今温暖化で大問題になっているというのに?
片山教授によれば、「温暖化」はあくまでも「地球表面」の問題で、地球全体としては地球誕生以来全体のエネルギーが減っているため内部は冷える方向らしい。
火星も40億年前には水があったけど内部の岩石に吸収されてしまった可能性があるらしい。
ほえ〜〜、壮大な話だ(^^)
ちなみに片山教授が発表した論文の概略はこちらの記事にも掲載されています。
ちなみに南極の氷は、26.92x10の6乗立法キロメートル。すなわち、約0.27垓リットルで海水が岩石に吸い込まれる量の約1,000万倍あります。(1垓は1兆の1億倍)
100年以内に温暖化で溶けたら、岩石の吸水では全然間に合わない^^;;
ただ地表にある氷の95%を占める南極の氷が全部とけてもざっと3万年くらいで海底に吸収されてしまいます。
地球が誕生して46億年くらいと言われていますが、もしこのままいけば6〜6.5億年で地表から水がなくなってしまい、それこそ火星のような惑星になってしまうかもしれません。
地球全体凍結があったのが6億年前。その後カンブリア紀に生命体が爆発的に誕生したのが5億4千年前。
https://www.jamstec.go.jp/sp2/column/04/
6億年後ってどんな地球なんだろう、なんて思いをはせてみたくなってしまいました。
(写真:Unsplashのfrank mckennaが撮影した写真 )