前回父の様子についてお伝えしたのが1ヶ月ちょっと前。
この時は体力の衰えがひどくなり入院した、というところまででした。
入院して父の体力、気力がかなり回復しました。1日も早く退院したい父は「退院は明日か?」と電話を家族にかけまくります。
一方で、母が調子を崩し始めてきました。体力的に父の介護を毎日続けていくのはちょっと厳しい、と。普段めったに弱音を吐かない母なだけに、母自ら「きつい」といってきたのは、もう赤信号。妹が「もう施設にいれなきゃだめだ」とこれまでもやっていた施設探しにアクセルを踏みます。
問題は父。在宅を強く希望しているところで施設に入ることを拒む可能性が極めて高い。。。本人の意識がしっかりしているから、嘘をつく訳にもいかない。
ということで、父を説得するのは私の役割。家族3人の中では私の言うことが一番きいてくれそうだから^^;;
退院を前に病院で先生やケアカウンセラー、家族で今後の治療方針について話し合い。病院としては「抗がん剤の治療は体力次第。難しいようであればできるだけ早く施設に入ったほうがいい」という提案。
一方父は「これからはよく食べて歩く練習をして元気を取り戻したい」と”頑張る宣言”。父が前向きな気持ちになることはとてもWelcomeです。正直病気そのものは治癒の見込みが極めて低いため、実質緩和ケアをするしかない状態なので、よりよい状態を保つには「気持ち」が一番のエネルギー源になるんです。
そして父は退院して自宅へ。嬉しそうでした(^^)
そんな中施設に入る説得をしなくてはならない私は気が重たかった・・・^^;;
妹が施設を見つけてくれてそこの入所を予約。入所日の前日に父に話をしました。説得をするのではなく、
父が退院してきたことを家族みんなが喜んでいること
これからも在宅で一緒にいられることを家族みんなも希望していること
そのためにはまず母が元気でいることが必要
その母が最近体調をくずしかけている
ここで母が倒れると、父のケアをつきっきりでできる人がいなくなる
私も妹もそうしてあげたいが仕事や家族があってそれがかなわない
なのでせめて母の体調がもどるまで施設に入所できないか、ということを相談したい
こんな流れで話をしました。
一つ一つ丁寧にゆっくり話をすることで、父も一つ一つ理解をしながら自分なりに考えてくれたようです。最後は「わかった。俺はみんなに迷惑をかけることは望まない」と父から「見つけてくれた施設に入ろう」と言ってくれました。
父の理解と懐に感謝です。
翌日妹の車で施設に入所。朝から夕方まで手続きやら、これから担当する人の挨拶やら、まあ慌ただしい半日が終了。父もさすがに疲れて寝てしまいました。そりゃそうだ。
我々も引き上げて、私は一旦母と実家へ。夜は高校の同窓会があったので、でかけるまで母と話していました。父が施設に入ることを了承してくれたことでホッとした、と。
私もそんな母をみて安堵し、同窓会へでかけました。
ところが、物事はうまくいきそうでいかない。
他のことで大変な状況になり、同窓会では二次会に行かずに実家へ帰ることにしました。
最寄りの駅についたところで母からLINE。父が施設で転倒したらしい。(老人の転倒は、大腿骨骨折→寝たきり→急激な衰え→死というやばい展開がある)しかも、転倒してしばらく放置されていた、ということで妹が激怒。退所させる、と現場にむかった、という。
何がおきたかを知るには現場。ということで私もそこから現場に向かいました。
荷物はもうまとめられていていつでも出れる体制ではあるが、施設長がくるまであと30分ほどかかる、ということで待つことに。
施設長と話をして、こちらが認識していたサービスができないことがわかり、契約を白紙にしていただくことで合意。夜中に父を再び実家へ連れて行くことになりました。
ホッとした母にとっても、一生懸命探して見つけてきた妹にとっても、そしてやっと割り切って合意してくれた父にとっても、残念なことになってしまいました。
妹と母は、「こうなったら仕方ない!」と在宅でできるだけ介護や医療サポートをうけられるよう、ケアサポートなどを手配。
一時期心配だった夜も、父がトイレに起きずにぐっすり寝るようになったため、母の睡眠不足も解消の方向に向い始めました。
父の意欲も徐々に回復。退院直後に予定していた抗がん剤治療は、本人が「まだつらいので」ということでパスしたのですが、翌週は「俺はやる」と志願。抗がん剤治療をうけてきました。
当日、翌日など副作用もでず(濃度と分量は父の体力を考えてかなり下げたそうです)よかったなぁ、と思っていたら数日後に妹からLINE。
父が劇的に弱っていて、きてくれた訪問看護士から医師を通じて連絡してもらい、体力の回復を図るために入院させることにした、と。
それに自分でできていた補助器と使った自力歩行ができなくなり、家の中で車椅子は使えないし、この状態だと母の力では無理、という問題も顕在化。それを見越して事前調査をしていた妹が、妹宅の近くに老人ホームを見つけた、という。
今度は24時間看護体制ができているし、妹宅が近いのでいつでも妹が様子を見にいけるという利点がある。
入院している間に病院、ケアカウンセラーと連携して退院したらそのまま転院という形で入所するよう手配してもらいました。
そして父への説得は再び私の役割。
前回の入院では「俺は頑張る」と気丈にも元気な姿をみせていた父ですが、今回の入院中はさすがに元気がない。それでも老人ホームへの入所には理解を示してくれて、了承してくれました。
退院当日。家族と迎えにいき、老人ホームへ無事入所しました。
前回トラブルがあった初日はなんとかクリア。まだ施設側も本人も慣れるには時間が必要だとは思いますが、今度こそは父にとっておだやかな環境になってほしい、と願うばかり。
老人ホームについては後日手続きなども含めてご紹介します。
(写真:UnsplashのChris Galbraithが撮影した写真 )