朝のニュース番組をみていたときに緊急速報で、沖縄近辺で地震が発生し津波警報がでたとテロップが流れました。
当初は沖縄諸島での震度がさほど大きくない印象だったので、「津波”警報”」とイメージが合わず、不思議な感覚だったのですが、時間が経ってから実は台湾で大きな被害がでていたことが判明。ご存知のように大きな災害となってしまいました。
被害に合われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
現地の情報がメディアを通じて、被害の様子が伝わってきましたが、想像を超える被害に驚きを隠せませんでした。
マグニチュードは7.7を記録(最初は7.5と言われていたのですが訂正されたようです)。正月に発生した能登地震が7.6だったので、そのエネルギーの大きさがよくわかります。
ビルが45度傾いてしまった光景は、1995年に発生した阪神淡路の地震で倒れた高速道路の光景を思い出させました。
この台湾地震の規模や被害に驚いていますが、私個人的には地震の後の対応の早さに目がいきました。
大きな体育館のような避難所に、
・プライベート空間を確保するように仕切りがあるテントとベッド
・無料WiFi
・携帯をなくした人のための複数の固定電話
・食料や飲料水
・生活用品
・トイレ、シャワー
が揃っていて、この避難所の立ち上げが地震発生からわずか3時間後だったといいます。
報道されているように、ユーラシアプレートの下にフィリピンプレートが沈み込む構造が複雑なため、台湾も日本同様地震が多い地域らしいです。
6年前に地震がおきたときに、この避難所の設置に1日かかったそうですが、今回はわずか3時間。
避難している人に「今必要なものはあるか?」ときくと「十分必要なものは揃っている」と。
避難所には、マッサージをする人、ゲームコーナーなどもあり、快適ささえ感じられます。
度重なる地震の体験を通じて、自治体とボランティア組織とのネットワークができていて、今回のような事態が発生するとそのネットワークが活動するんだそうです。
まさに”備え”がしっかりしているんですね。
3日後には倒壊の危険性が高いビルの解体作業が始まってます。
日本は地震を始めとした自然災害が多い地域なので、災害対策はかなり進んでいて、そのノウハウをコンテンツとして輸出すればいいのに、なんて思ったりするくらいでしたが、この事例をみると台湾のこのシステムは日本も学ぶところが多いと感じます。
正月に発生した能登地震では、ボランティアの人達の受け入れ自体がなかなか進まなかったとききます。
街の構造などの違いはあるので、単純に比較できない面もありますが、避難所がこうやって早く立ち上がりボランティアの人達が少しでも早く活動できると、被災後の生活の維持、復旧の加速が進みます。
2011年東日本大震災のときに、仙台で勤務していたのですが、事業所の操業が止まって商品の供給ができなかった時期が続いたこともあり、顧客から災害時のBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)、つまりContingency Planを求められ、作成に携わったことがありました。
顧客が求めていることだけでなく、自分たちにとっても災害時に早期復旧をはかるための体制を整えるという意義もありました。
キーとなったのは「備え」なんですね。
災害をなくすことはできないので、災害が起きて被害を受けることは避けられない。でもその被害をできるだけ小さくして、早く復旧させることは自助努力で可能です。
いわゆる「減災」の発想です。
「緊急ではないけど重要なこと」の典型的な行動の1つが「備え」だと思います。
台湾の人たちにあらためて気づかせていただきました。
あ、もちろん微力ながら募金にも参加しました(^^)
(画像:日本テレビ 日テレNEWS掲載の動画より引用)