母と一緒にテレビを見ながら食事をしていたときに、NHK BSで大リーガー大谷翔平選手(以降敬称略で”大谷”とします)の今年1年の活躍を振り返る特別番組が放映されていました。
(画像:Youtubeより引用)
よくある本人へのインタビューを交えたトーク番組ではなく、純粋に大谷の”全”ホームラン、”全”奪三振、”全”盗塁など、プレーそのものを観せてくれるということ。
野球にそれほど詳しくはない母でも、さすがに大谷のことは知っており(^^)、それこそ世界中の多くの人と同様、大谷が活躍するとなかなかご機嫌です。
大谷の今年のプレーの結果は改めて言うまでもないですが、リーグ3位の46本塁打に100打点という数字は一般の打者としても優れた成績であることに加え、9勝2敗、防御率3.18、奪三振158、投球回数130回と1/3というこれまたエース級の投手の成績を同時にあげたことは、長い大リーグの歴史の中でもなかったことです。
昔はそれこそまだまだレベルが低く、高校野球のように投手4番みたいに、投打で活躍した選手もいましたが、今や投手、打者どちらかに専念しないと、プロとしての成績を残すことがとても難しいくらいレベルが高いのが実情。
大リーグのスターたちもこぞって「宇宙人だ」みたいに評するのもわかります。
そして驚きは盗塁数が26あり、チーム1位、リーグ5位と「走る」ことも一流プレーヤーになっているということ。
この番組で知りましたが、三塁打8本はリーグ1位。
これは長打力と走力の2つを持っていないと実現できない数字です。
まさに「投げて」「打って」「走って」がすべて一流どころか、超一流であることが大谷のすごいところです。
他のめぼしい記録では
打者部門
得点:リーグ8位
打点:リーグ13位
三振:リーグ4位
四球:リーグ3位
敬遠:リーグ1位
長打率:リーグ2位
投手部門
奪三振:リーグ19位
です。
いやはや、「化け物」という呼び方がふさわしい(笑)
さて、これだけ活躍している大谷ですが、所属しているエンゼルスについて、実はあまり知らない^^;;
アメリカンリーグ西地区に在籍するエンゼルスは勝率5割を割って5チーム中4位。
とても強いチームとは思えません。
実際母も私も、エンゼルスが勝ったかどうかはあまり興味がなく、大谷が打ったのか、投げて勝ったのかしか関心がありません(笑)
野球というチームで争うゲームにおいて、不思議な光景かもしれません。
昔巨人に長島、王(いずれも長嶋茂雄元選手、王貞治元選手で敬称略)という野球界のスーパースターがいて、彼らのプレーに一喜一憂してた人は少なくなかったですが、それでも所属していた巨人の勝敗にも大きな関心を寄せていた、むしろ長島・王というONコンビがいるから巨人ファン、という人が多かったと思います。
今大谷がいるからエンゼルスファン、という人はどうなんだろう。
私の自分の感覚では、それほど多くない気がします。
私は学生時代に野球で投手としてプレーしていました。
なので、野球がチームプレーだし、チームの勝ち負けが最重要なスポーツだという意識はこびりついています。
一度負けたら終わり、みたいな高校野球、オリンピック、ワールドクラシックのようなアマチュアチックな大会であれば、チームの勝敗が最大の関心事になりそう。
でもプロの世界では、必ずしもチームの勝敗が関心の中心でない、という面もありそうです。
サッカーでも、メッシやロナウドといったスターのプレーに関心がいって所属チームの勝敗はどうでもいい、みたいな人も少なくないのでは。
スタープレーヤーというのは、それほど観客を虜にするだけのすごいパフォーマーなんですね。
これは努力だけではなれない世界で、持って生まれて備わっていた才能と置かれた環境の運、というものが大きな要素のような気がします。
先日読んだマイケル・サンデルの本が思い出されます。
番組で大谷の全ホームランを観ましたが、彼のフォームはきれいですね。
ホームランを打ったときのフォームですから、いいフォームなのは当然といえば当然ですが、ほとんどが打った瞬間にホームランとわかるので、打ったあとの余韻が残っているようで、それが何か優雅な感じを醸し出しているのかもしれません。
それでいて投手として160km/hを出すのですから・・・
昔イチローが投手として登板したことがあり(彼も高校時代は投手だった)、その時140km/hを計測して「お〜、すげ〜!」と言われたことがありましたが、大谷ははるかその上を行ってしまった(笑)
とにもかくにも、怪我をしないで無事シーズンを終えたことがなにより(^^)
エンゼルスのような強くないチームにいるからこそ、今のポストシーズンで身体を使わなくてすんでいるかもしれません。
オフシーズンで身体をいたわり、そしてさらにトレーニングで強い身体になって来年も度肝を抜いたプレーをたくさんみせてほしい、と思います。