48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

映画鑑賞〜イーディ、83歳、はじめての山登り

 

今回観た映画はこちら。2週続けてイギリス映画。

 

夫や子供に自分の時間を注いできた83歳の主婦が、夫が死んで長年の夢だったスコットランドの山登りを目指す姿を描いたヒューマンドラマです。

 

ロンドンに住む83歳の主婦イーディは30年介護してきた夫が亡くなり、身の回りを整理していたら父親から「山に登ろう」という誘いが書かれた絵葉書を見つけます。

 

イーディは行きたかったのですが夫に反対され、しかも口論後に血栓症を発症し夫は要介護となって山には行けず、父も他界してしまいます。

 

夫や子供に”監視”されていたという思いしかないイーディは、ふとこの山に登ろうと1人電車でスコットランドに向かいます。

 

現地で偶然知り合ったジョニーは、キャンプ用品を販売する店員で登山やキャンプの達人。

 

ジョニーは同僚の発案で、イーディのトレーニングを指導することに。

 

ジョニーは気難しいイーディへの対応に苦慮しますが、大金が入るということで割り切って対応していたものの、段々と気持ちに変化がでてきます。

 

最終的には2人は目標の山を登ることに成功(ネタバレですが、この手のストーリーはそういうものなので^^)して映画は終わります。

 

 

 

ある人物が未体験のことに挑戦しようとし、キーとなる人物と出会い、途中お互い相容れないところはありつつも、その関係性は徐々に近づいてきて、途中困難はあるものの、最後はハッピーエンド、というストーリー展開には、正直あまり目新しさはありません。

 

なので、ある程度映画を観てる経験があれば、展開がほぼ読めます(^^)

 

じゃあ、この映画は対して面白くないのか、というと、視聴の仕方次第、というのが私の印象です。

 

 

 

イーディは、自分のこれまでの人生は「監獄にいるようなものだった」と言っています。

 

誰と会うにでも、どこかへ行くにしても、何かをやるにしても、常に夫の同意が必要で、実質ことごとく拒否されて何もできなかった、と。

 

父親からの山の誘いにもいつものように夫は反対し、激しい口論をしたら突然血栓症で要介護となり、イーディはその後30年間介護をすることになってしまいました。

 

夫が亡くなったあとも、娘のナンシーから事細かく食べ物や行動を指示されるイーディ。

 

少なくとも結婚以来ずっと家族のために自分の時間のすべてをささげて、83歳になってしまったというその体験に、こちらの気持ちを持っていこうとすると、これは理由や背景がどうであれ、なかなかしんどいものがあります。

 

寄り添おうと思っても簡単にできるものではない気がします。

 

イーディ本人は「家族に逆らうこともせず自分は何もしてこなかった」という自戒もあり、突然の山登りを決断するのですが、5〜60年と思われる時間の重さを思うと、自分の中で何か感じるものが湧き出てくる気がするのです。

 

私の場合はそんな視点で視聴しました。

 

 

 

 

この映画を観ようと思ったきっかけの一つが、登山が関係していそうだったから。

 

ここで登場する山は、イギリスのスコットランド北部にあるスイルベン山という実際にある山です。

 

北緯58度とかなり北にあり、日本のはるか北、ロシアのカムチャッカ半島の根元くらいの緯度になります。

 

そのためか、標高は731メートルとさほど高くないのですが日本の山のように木に覆われているわけではなく、草、岩がむき出しの裸山みたいな山です。

 

途中イーディが雨に遭遇するシーンがありますが、この雨は実際かなり冷たいだろうと思われます。

 

日本の山のように登山道や山小屋が整備されているわけではなく、どんな初心者でもテント泊と自炊は必須。トイレもありませんから、低山の登山とはいえテント道具、ガスや調理器具、水と食料(これが実は重くて一番たいへんな荷物だと思います)、トイレットペーパーや使用済を持ち帰るための密閉袋など、装備はちょっと大変だろうなと思います。

 

映画では行きで2〜3泊しているようでしたから、荷物は20キロくらいになるかもしれず、83歳の老人にはちと酷ではないか、なんてゲスなことを考えちゃいました(笑)

 

20キロを背負って1200メートルの山に登ったことを先日ブログでも投稿しましたが、私でもかなりきつかったです。

 

余計なことを考えてしまいましたが、それでも日本では観られない風景はまたなかなかのもので、ジョーイとイーディが森で焚き火をしながらキャンプをしているシーンはとても綺麗で、素敵でした(^^)

 

このスコットランドの自然はこの映画のスパイスとなっていると思います。