48歳からの挑戦

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読後感想〜リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上)(下)

 

 

今回読んだのはこちら。

 

最近リーマン・ショック関連の映画を立て続けにみて、複雑な状況をもう少し理解したいと思いたどり着いたのがこの本。原題は「Too Big To Fail(大きすぎてつぶれない)」。

 

著者アンドリュー・ロスソーキンが膨大な関係者に取材をしまとめた、まさにリーマン・ショックのドキュメンタリーとも言える本です。

 

リーマン・ショックは2008年に世界第4位の投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻し、世界規模の金融危機を引き起こした事象をいいます。

 

リーマン・ショックという名称は日本で作られた造語で、世界的にはthe financial crisis of 2007–2008(「2007年から2008年の金融恐慌」)や the global financial crisis(「国際金融危機」)、 the 2008 financial crisis(「2008年の金融危機」)と呼称するのが一般的だそうです。(Wikipediaより)

 

この本を読むと、リーマン・ショックは、リーマン・ブラザーズの経営破たんにとどまらなかったことがよくわかります。

 

世界的にもトップクラスの金融会社であるメリルリンチモルガン・スタンレーAIGアメリカン・インターナショナル・グループ)、金融界の横綱的な存在だったゴールドマン・サックス、シティ・グループ、JPモルガンらが、資金の調達がかなわないと経営破綻する危機に直面し、資金調達に奔走する様子が実に詳細に語られています。

 

資金調達の方法は大きく2つ。

1)資産売却による現金の確保

2)公的資金の導入

 

我々も手持ちの資金が不足しているときに、小さくはメルカリで売ることから大きくは不動産の売却まで、もっているものを売って現金を手に入れようとします。これが1)の考え方ですね。

 

1)の究極が「自社の売却」、すなわち自社株を買ってもらうことで、この手を使ったのがメリルリンチでした。リーマン・ブラザーズの次に倒れるぞと言われていたメリルリンチが、プライドと戦いながら土壇場でバンク・オブ・アメリカに身売りする交渉の様子が描かれていました。

 

一方、売るものがないときに、親や親戚にお金を借りたり、金融機関からお金を借りたりする方法もあります。これが2)の考え方です。

 

2)のポイントは、「税金」を投入するということ。日本が1997年から1998年に体験した金融危機(多くの金融機関が経営破綻した)では、ビッグバンクに多額の公的資金が投入されました。

 

税金の投入は、当然強烈な批判をうみ、それがときに政治問題になると政治家が横槍をいれてくることもあり、金融当局はかなり慎重になります。

 

リーマン・ショックのときも、アメリ財務省連邦準備制度理事会FRB)、ニューヨーク連邦準備銀行といった当局が苦悩します。

 

リーマン・ブラザーズ破綻前にはベア・スターンズが経営破たん、この時は公的資金を投入したことで国民から大きな非難を浴びたこともあり、リーマン・ブラザーズのときは財務省長官ポールソンが「公的資金は投入しない」と宣言します。

 

結果的にリーマン・ブラザーズは経営破綻しますが、その後経営危機に直面したAIGには、「破綻した場合の影響が世界に及ぼす」ということで一転して公的資金を投入することになりました。

 

当局側も方針が二転三転しているばかりか、法的にギリギリな線で大型金融機関の経営に干渉し合併などを促すなど、苦悩し続けている様子がよくわかります。

 

私はリーマン・ショック関係の映画をいくつか視聴しました。

 

www.almater.jp

 

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この本を読んでこれらの映画がどの部分を描いていたのかがわかりました。

 

マネー・ショートはリーマン・ショックの直前で住宅バブルにかげりが見えてきたころの話。これをきっかけに証券の空売りが増えて、リーマン・ブラザーズら多くの金融機関の株価が暴落し、多額の証券の担保を請求されるようになり経営危機に見舞われます。

 

リーマン・ブラザーズ最後の4日間はまさに、リーマン・ショックのおきた2008年9月15日前後のあたりで、メリルリンチ買収まで描かれていますが、その後のAIGモルガン・スタンレーなどの経営危機までは入っていません。

 

マージン・コールはこの3作品の中で唯一のフィクションですが、リーマン・ブラザーズをモデルにしていることは明らかで、破綻直前の様子が描かれています。

 

 

 

本書では多くのキーパーソンが登場してくるので、誰がどの会社でどういう関係なのかを把握するのがとても大変(^^)でも巻末に主な登場人物が所属先と一緒にリストされているので、「あれ、この人どこの会社だったっけ?」みたいな検索に使えます。

 

最初それに気づかずにポストイット使って数十枚の登場人物リストを作ったのですが無駄になりました(笑)

 

結局当時起こったことって、リバレッジ(100円で1万円を動かすようなこと)をきかせて大儲けしていたけど、証券の本体であった住宅ローンの返済が滞って暴落し、リバレッジ取引の保証金を請求されてその保証金が用意できなくなった、さあどうしょう、という、我々の身近なところでいえば、FXによる為替取引みたいなことだったのか、というのが私の浅い理解。

 

当時の世界金融業界は、狂ったデイトレーダーと変わらなかったということです。

 

でも、なぜ住宅ローンが証券になれるのか、リバレッジってそもそもどんな仕組みで成立しているのか、まだ私はちゃんと理解できていないので、今度元金融のプロである友人に教えてもらおうと思っています(^^)

 

私としてはこの機会に金融商品とその仕組について学んで、いずれ年老いたときに多少の収益を出せるようになっていると、労働できなくなった体でも収益を得るという一種の保険的な位置づけにできれば、なんて思ったりしています(^^)

 

まぁ、センスのない私は大損はしても大儲けはできないタイプなので、そこを自覚しておかないと(笑)