48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書会〜「ファイナンス思考」

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今回の読書会の課題図書はこちら「ファイナンス思考」。

 

NewsPickerとしても活躍されている朝倉さんの著です。

 

以前この読書会で同じ朝倉さん著の「論語と算盤と私」を取り上げました。

 

www.almater.jp

 

その「論語と算盤と私」を読んだ時、論点のまとまり具合、わかりやすい表現に感服しちゃったのですが、今回も感服しちゃいました(笑)

 

ファイナンス

ファイナンス”って経営に関わる方には馴染みがありますが、そうでない方にはピンとこないかもしれません。

 

フィンテックという言葉は聞いたことがあるかもしれません。ファイナンスとテクノロジーをあわせた造語です。

 

最近だと決済をスマホで簡単するにできるアプリ、みたいなサービスが代表例ですね。

 

お金にまつわることを技術的に有益なサービスとして提供する世界がフィンテックと思っていいでしょう。

 

この造語の元になっているファイナンスは「お金」という狭義的な意味合いとして使われている印象です。

 

ではファイナンスとは?

 

この朝倉さんはシンプルに4つの側面としてまとめています。

 

  1. 外部からの資金調達
  2. 資金の創出
  3. 資産の最適配分
  4. ステークホルダーコミュニケーション

 

です。(「ファイナンス思考」55ページより引用)

 

つまり、

  1. お金を集めて
  2. そのお金を使ってキャッシュを増やし
  3. 増えたキャッシュを関係者に分配し
  4. その内容やこれからのことを関係者に説明する

という行動が「ファイナンス」というもの、ということです。

 

この本を読むにあたって、アカウンティングすなわち会計の知識は多少あったほうがわかりやすいです。

 

売上から経費(販売促進費)を引いたら利益になる

 

というPLの見方と

 

出資したお金と借りたお金が現金やお金を生む設備(固定資産)になっている

 

というBSの見方と

 

お小遣い帳のようにお金の出入りを管理する

 

というキャッシュフローの見方は少なくとも感覚として持っていたほうがいいです。

 

本の巻末に「会計とファイナンスの基礎」を特別付録としてまとめてくれていますので、本屋さんでちょっと立ち読みされるといいかもしれません。

 

どんなことを言っているの?

読書会でも話題になりましたが、経営に携わっていないと「ファイナンス」は使わない人が多いです。

 

現場では売上を上げること、コストを下げること、サービスの質をあげること、サポートをすること、などそれぞれの役割をこなすことに専念します。

 

なので現場の人たちが「ファイナンス的思考」を持って仕事をするためには、どうしてもまずトップが「ファイナンス思考」を持っていないことには、力を発揮のしようがない面があると思います。

 

そういう観点でこれを読んで、なにか自分の行動をすぐに変えようということは難しいかもしれません。

 

一方、我々の多くは、売上を上げること、利益を上げることはいつも正しい、という感覚を刷り込まれていると思います。

 

私もそうでした。

 

でも「将来」のことを考えると今は損をしてでもGOすることがある、そんな感覚がファイナンス的思考です。

 

日本のことわざや言い伝えで言えば

  • 肉を切らせて骨を断つ
  • 損して得する

ということも判断としてありえる、そんな感じでしょうか。

 

どんな人が読むといいだろう

会計の感覚が少しわかるのであればどんな方でもいいと思います。

 

今の世の中は「売れ〜」「かせげ〜」という時代はすでに終わっていて、「もっと魅力的に」「もっと価値高く」という視点で事業が進んでいると、大きく変化していることを感じ取ってくれれば十分だと思います。

 

  • 経営学を学んでいる人
  • 実際に起業している人
  • 社内で事業を企画、まとめる、管理する立場にある人

 

は一度目を通されるといい気づきがあるかと思います。

 

著者はとてもわかり易く書いてくれているので、これを読んで「そんなの当たり前だよ」とか「そんなことわかっているんだけど」と思う人がいたら、それを実際に行動できているかどうか振り返ってみるといいでしょう。

 

言うは易く行うは難し。

 

先に述べた4つの行動。

  1. お金を集めて
  2. そのお金を使ってキャッシュを増やし
  3. 増えたキャッシュを関係者に分配し
  4. その内容やこれからのことを関係者に説明する

1、3はCFOとか経営者でないとなかなか機会がないでしょう。

 

2は実務ですね。ポイントは4。

 

これって実は普段の上司やトップマネージメントとのコミュニケーションなんです。

 

「上司がわかってくれない」「トップがわかっていない」

 

そう言っている人、たぶんこの4ができていない人です(^^)

 

「わからせる」ことが役目です。

 

わかってもらえてないのは、わからせる努力が足りない、乱暴に言えばそういうこと。

 

アマゾンもフェイスブックもアップルもグーグルも株主というとてつもなく面倒な人たちに理解してもらえるよう説明することをとても大切にしています。

 

この構造は現場でも同じだと思います。

 

なので実はファイナンス思考の一部は普段の業務にも十分反映できるんですよね。

 

いや〜、それにしても朝倉さん、すごいわ〜〜(^^)

 

「ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論」はこちら