今回の読書会の課題図書はこちら。
朝日新聞社の記者で、天草に移住して農業、狩猟も行いながらジャーナリストとしても活動を続けている近藤康太郎氏の著作です。
”読書術”と本のタイトルにあるくらいなので、自己啓発的な分類かな、と思って読んでみましたが、これはちょっと違った(^^)
あ〜しろ、こ〜しろ、なにがしはだめだ、みたいな画一的なものではなく、「読書を通じて世界が広がる可能性」と「読書そのものが広い世界」であることを、いろいろな角度から”紹介”してくれています。
そもそも著者が他人に対して「こうしなきゃだめだ」というタイプとは真逆の価値観をもっているような印象を読後に感じたくらいです(笑)
「はじめに」でこの本の狙いについて語っています。
”目指すのは百冊読書家だ。本は百冊あればいい。(中略)本書は、自力で百冊を選べるようになるための、その方法論のつもりで書いた。”
その”紹介”本として面白いと思ったのが、本の構成。
11の章で構成されていますが、それぞれの章に”A面””B面”があります。
どういうことか。
”「速読/遅読」など、それぞれが対立する、お互い矛盾するような、読書法の二律背反を書いた。”そうです(^^)(本書「はじめに」より引用)
ただ”A面が主でB面が従”、のつもりはない、とのこと。
第1章:速読と遅読
第2章:本を買うと本を借りる
第4章:分かる読書と分からない読書
などなど・・・
このどちらが表で裏かわからない視点の切替が実に面白い。
本書から印象的な視点を見せてもらいました。
その一つが昨日のブログです。「ハマる」。
一番印象的だったのは「孤独の読書」です。
苦しい状況に置かれているとき正気に戻る時間は、”本を読むときだった”と著者は語っています。
”テレビもネットも遮断して、意識して一人きりになる”(本書より引用)
しかも”独りになるために読む”とまで言っています。
独りでいること、それを一般的には”孤独”と表現されます。
ちょっと前に昨年亡くなった長嶋茂雄氏のドキュメンタリーがあって、そこで長島氏が「孤独になれるからこそ先へ進める」みたいなことを言っていたシーンと被るものがありました。
AIのレコメンデーションや、フェークで溢れたどうでもいい膨大な情報と距離をおきたい私にとって、僭越ですが著者が言語化してくれているように感じます。
巻末には著者の百冊がリストされていますが、私はそれを揃えようとは思ってません(^^)(参考にさせてもらっていくつかはパクらせてもらうかもしれません(笑))
たくさんの書物を読み、ライターとして長年活躍してきた著者が「これはいいぞ」といってくれているのですから、きっと価値あるものには違いないと思います。
でも著者はその100冊のリストを作るまで、いろいろな本と出会ってきたからこそその100冊の価値をよく知っているんだと思います。
どんなことに感じて、どんなふうに自分が変化していき、その結果自分の100冊がどうできあがるのか、それを楽しみにしたいと思えるようになりました。
この本を読んで、「読書は自分の世界を広げるツールであり、自分を見つけるためのツールでもある」ような感覚が持てたことが、一番の収穫かもしれません(^^)

