48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書会〜「サピエンス全史上下」

本日は読書会。夏休みを挟んで3週間ぶりの開催となりました。夏休みでしっかり読み込もうということで、選ばれたのは「サピエンス全史上下巻」合計で585ページになるようです。私はKindleで読みましたが、進捗を表すパーセンテージ表示の進みがまぁ遅いこと(^^)

 

約600万年前にヒトとチンパンジーの最後の共通の祖先が生まれ、250万年前にアフリカでホモ(ヒト)属が進化を始め、約200万円前から異なる人類種が生まれてきたようです。そう、犬に色々な種類があるように「ヒト」にも異なる種類があったのです。しかしその中で最終的にホモ・サピエンスだけが生き残り今や70億人というとてつもない規模に繁栄しました。1個体としてのホモ・サピエンス食物連鎖の頂点に立つ他の捕食者には叶わないはずですが、ホモ・サピエンスは頂点にたったんですね。

 

この本ではホモ・サピエンスが頂点にたった理由として3つの革命を紹介しています。「認知革命」「農地革命」「科学革命」です。約7万年前に歴史を始動させた認知革命、約1万2千年前に歴史の流れを加速させた農地革命、500年前に歴史に終止符をうち全く異なる展開を引き起こす可能性のある科学革命。

 

私がこの本で印象的だったのは「虚構」の中で生きている、ということ。今我々が当たり前のように生きる基盤としている、文化、国家、宗教、貨幣、言語などはすべてヒトが作り出したものにすぎず、決して嘘ではないのだが想像上の世界を皆で信用することで力を持つもの、という観点です。本来生物は子孫をつなげていくことが大きな役割であり、子孫を残すこと以外の目的で活動をするヒトは極めて珍しい生き物です。アリやハチのように一部社会のために行動する生き物がありますが、これも研究ではどうもDNAにその行動パターンが埋め込まれているという説があり、ヒトの社会的行動とは性質が異なるようです。我々は「考えて」「価値観と照らし合わせて」「正しいと思う行動」をとろうとします。これらすべてが虚構の中でうごめいているだけなんですね。

そう思うと、普段の悩みとか不快感とかって、なんかどうでもよくなってきちゃう気がします(^^)大海原や満点の星をながめて「人間って小さいなぁ」なんて感じるシーンがありますが、なんかそれさえも超越しちゃうくらい、俯瞰度が高いというか、ぐ〜っと引いたところに視点をおいている気がします。

 

そしてホモ・サピエンスは認知革命のあった7万年前から東アフリカを出て世界中に移動を始めるのですが、移動する先々でたくさんの種類の生物を絶滅に追い込んできたそうです。同じヒトでもあるネアンデルタール人は約3万年前に絶滅したそうで、ホモ・サピエンスによるという説もあるくらい。今も絶滅危惧種が多く指定されていますが、これは今に始まったことではないんですね。今世の中に生存している生き物にとってホモ・サピエンスはとてつもなく危険な存在なのかもしれません。

 

科学革命以降、変化がさらに加速して、スマフォのようにわずか10年前になかったものが今や生きるために不可欠なものになっているようなスピード感です。これからどうなっていくのか。すでにこの世から自分たちを抹殺する手段を持ってしまったわけで自滅していくことだって考えられるし、この後生まれるであろうサイボーグに支配されるかもしれないし、恐竜を絶滅させた小惑星の衝突(諸説あります)でホモ・サピエンスの栄華が一瞬で終わるかもしれません。

長くても100年というヒトの一生は、45億年という地球の歴史にとっては無視できる長さですが、それでもわずか100年でどう生きていくのか、って考えると、くだらないことに一々自分が振り回されることがとっても馬鹿らしく思えてしまう一方、生きるということを全うしていきたいという気持ちにもなります。

 

余談ですが、著者はイスラエルの方ですが、ブッダなど東洋についての見識がとても深い方のように見受けられました。とてつもなく引いたポジションからの俯瞰ができる力ってすごいなぁ、と(^^)

 

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

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