48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書会〜カエルの楽園

本日は読書会。課題図書は百田尚樹氏の「カエルの楽園」です。

昨年新書で発行され文庫本になり購入しやすくなったこともあり、話題の書として取り上げられました。

文末に櫻井よしこさんが解説をされているのを拝見して、プロパガンダの臭いをかなり感じる作品ではあります。

早く憲法を改正し自衛隊を正式な軍事部隊と認定しないと日本が危険になる、というものです。

その是非論はこのブログではするつもりはございません。

 

カエルという生き物を使って今の日本の防衛体制について「これでいいのか」と問いかけているという印象をうけたこの作品。そんな印象を無視すると、カエルという一見人畜無害的な存在のイメージがある生き物。でも実は大きなカエルは小さなカエルを食べるんですね。ネットで調べてみるとそう書かれていました。

自然科学の観点からエンタテインメントとして楽しむ分には面白い物語だと思います。

あくまでも個人的な印象ですが、あまりにもプロパガンダ的要素が強すぎて、エンタテインメントとして楽しめないところが残念です。このような書物を発行することは、発言の自由という観点で当然認められるべきで、ルール上の罪はまったくありません。ただ、本来政治や社会を風刺する楽しさはあっても、基本一線をひくことで現実離れした世界を楽しむことに醍醐味のあるエンタテインメントの世界で、嫌悪感が拭えないのです。何度も申しますが個人の印象です。

エンタテインメントはプロパガンダの有力な手法の一つとして活用されることは、専門家の書に紹介されています。

そういう事実があることがわかっていながら、やはり嫌悪感は拭えないのです。

 

それぞれ「幸せ」のあり方を真剣に考えてそのアプローチを様々な角度から提案・主張しています。この作品もその一つであろうと思っています。善意とか悪意とかそういう次元ではなく、「幸せ」の定義が異なるか、「幸せ」へ到達する手段のとり方が違うのか、何かしらの理由があって、意見を異にするのでしょう。

 

海賊とよばれた男」という作品は感動したなぁ。脚色はあるにしても、すごいドラマを見せてもらった気がします。そんな作品を作れる著者はすばらしい才覚をもっていらっしゃいます。

楽しめる作品を描いていただけないかな。「カエルの楽園」は新書が参議院選挙の時、今回の文庫本が出た後衆議院解散の話・・・タイミングもいやです。。。

 

カエルの楽園 (新潮文庫)

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