48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書感想〜瞬間を生きる

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実家に行った時に母が「図書館で借りたんだけど読む?」と私に見せてくれた本。

 

母は50の手習いよろしく50代になってから囲碁を覚えて、アマチュア初段くらいまでになり碁会所での対局を楽しんでいます。

 

しかし囲碁はやれど将棋はまったく(^^)

 

そんな母でも興味が湧いたという羽生永世7冠の著書。

 

聞くところによると「このタイトルが気になった」らしい。

 

私は小さい頃囲碁もやっていましたが小学生になってからはもっぱら将棋の方に夢中になり、中学入ってからはあまり指さなくなりましたが今でも興味はあります。

 

「2週間借りられるから持って帰っていいよ」と母に渡された本。

 

実家から帰宅してお昼を食べながら拝読しました。

 

どんな本か?

著者は羽生善治さんですが、「撮影 岡村啓嗣」とあります。

 

羽生さんがプロになったときからずっと撮り続けているカメラマンだそうです。

 

この方の写真がてんこ盛り、その1枚1枚に羽生さんの言葉が綴られている、そんな本です。

 

本というよりはほぼ写真集に近いかもしれません(^^)

 

岡村さんが撮影した写真をみて当時の瞬間を振り返り浮かんできた言葉を綴ったもの、とまえがきに記されています。

 

実はここに綴られたそれぞれの言葉が、短いながらも社会の中で生きそしてAI時代を迎えようとする「人」が、社会に、AIにどう向き合っていくかという一つの姿を見せてくれています。

 

なのでただの写真集ではありません(^^)

 

エッセイ? いや啓蒙書? いや哲学書

 

周囲の活躍や様子が気になってしまう人、人や社会に怒りを覚えることが多い人、自分はだめだと思っている人、将来に不安を感じている人、そういった様々な負の感情をエネルギーに変えられるヒントがこの本にはあるような気がします。

 

写真はプロ入りした中学時代から最近国民栄誉賞を受賞した時まで約30年余りの幅がありますので、いろいろな表情を見ることができます。

 

勝負師の表情、敗れたときの表情、くつろいでいる表情、違うことを考えている表情、いろいろな表情がそこにはあります。

 

綴られている言葉と写っている表情、なかなか味わい深いです。

 

これからの自分への影響

どの言葉も共感することが多く、普段感じていて言語化できていなかったことを、素敵な言葉で綴ってくれています。

 

母から借りた本は図書館の本なので次回実家に行ったときに返却しますが、自分で買って1日1ページ味わいながら読んでみようかと。

 

私なりに本書で軸になっていると思われることを書いてみます。

  • 基本の修練が自分を支えること
  • 決断は自分がするもので覚悟するということ
  • 耐えるという力は自分を支えること
  • 人生失敗はない
  • 未知への取り組みが自分の世界を拡げること
  • 人は常に不完全である

 

かねて私は「自責」という言葉を使っていました。

 

自分の行動を決めるのは自分であること。

 

どんな結果がでようと自分のこととして考えることでその後の発展の可能性をもつこと。

 

そのために「自分の責を見つけてそこに帰着させる」ことにより、「これからなんとかなる」と思い込ませていたところがあります。

 

ただ正直ちょっと「自責」という言葉には違和感はありました。

 

世の中にはどうしようもないことがあります。天災とか。

 

羽生さんも本書の中で「大きな流れの中では かえられないものがある」と述べています。

 

いい意味で自分の無力さを自覚することでもあり、だからこそ自分にできることを精一杯やることに集中しよう、という行動につながるのです。

 

羽生さんは先程の言葉のあとにこう言っています。

 

「わからなくてもどこかに進むしかないのだ」

 

これは「自責」とは違いますね。

 

現実をありのままに受入れるという自然体な姿勢であり、責の所在はどうでもいい話です。

 

この本を読んで自分の中にある違和感を流すきっかけになる言葉を見つけた気がします。

 

きっと根っこは同じ。

 

自分の決断で動くという覚悟を持つということ。

 

すると「怒」という感情を持つことが少なくなります。

 

最近SNSで「人に期待しない生き方」というのが拡散されていましたが、これも根っこが同じ匂いします。

 

 

 

類まれなる才能を持っていらっしゃるとは思いますが、広い意味でのトレーニングを継続されてきたからこその羽生さん。

 

そういう人から溢れてくる言葉をじっくり味わってみたいです(^^)

 

瞬間を生きる