今回の課題図書はこちら。
「介護」は現代社会においてかなり現実的なテーマです。
かくいう私は幸いにも両親が健在でそれぞれ自分のことは自分でできている状態なので、今すぐということではないのですが、近い将来に十分自分の生活にかかわってくる課題です。
タイトルからこの本の内容はある程度想像でき、大方その想像から大きく脱線していないと思います。
読みやすい文字数と文章、内容でもあるので1時間もあれば読めてしまうと思います。
ただこの本を読んで、おっと気付かされたことが。
「自立」の定義。
冒頭の「はじめに」で著者がこう記しています。
「自立という言葉は、残酷です。(中略)
自立とは、誰にも頼ることなく生きられる女歌のことではありません。これが人間を不幸にする決定的な誤解です。
真の自立とは、その日が依存する先が複数に分散されており、ただ1つの依存先に隷属(奴隷化)している状態から自由であることです」
確かに私はここまで自立をクリアに考えたことはありませんでした。
言われてみればもっともなことですが、言われなければ著者のいう「誤解をしている人」になっていたかもしれません。
他の人に迷惑をかけず自分がなんとかしなければ、という思いが悲劇を招く恐れがあることをこの本では触れています。
介護疲れによる殺人、DV、家族離散といった話がTVやネットで目に耳にすることはすくなくありません。
私が会社を辞めて次の仕事を考えるときに、
「できるだけ時間の自由が効く仕事にしたい」
と思っていたのですが、これは来たるべき親の介護を意識していたからです。
私には妹家族がいるのですが、生きていく上で助けを必要とする子供がいるため、親の面倒どころか、妹のほうが母を頼って、その子供を世話している状態です。
親に何かあったときに妹が自由に動くことはかなり難しいだろう、と。
なので、ある程度収入を得ながら、できるだけ親の側にいれるように、と考えていました。
この本を読んで、これもちょっと危ない考え方であったことに気付かされた気がします。
まず親の気持ち。
自分のために子供がしんどい思いをするのは忍びないと思う人です。
なので私が辛い顔をして介護をしていたとしたら、それは心痛めることになるだろうと想像つきます。
親の前では元気であって笑顔でありたいですね(^^)
そうあることが親にとってきっと幸せなことなんじゃないかなぁ、と。
だから「自分がなんとかしなきゃ」と思い込みすぎないようにしないといけないですね。
さきほどの妹にも時々参加してもらう、妹の旦那や姪にも手伝ってもらう。
そして介護保険を勉強して上手に制度を利用する。
自分の心にゆとりをもちつつ、仕事、社会活動、趣味などにも自分の時間が使える環境を作っていくことが、長期戦と言われる介護にしっかり向き合っていくために大切な要素なんですね。
著者は、上手なミドルマネージメントは介護も上手だと指摘しています。
つまり「自分が当事者でリーダーである、という自覚をもち」ながら、いろいろな人の協力を得てチームとしてプロジェクトを遂行する能力に長けている、ということのようです。
とはいえ、介護は仕事と違ってたくさんの感情が混ざってきます。
なかなか割り切れないこともあるでしょう。
そのときになってみないとわからないことはたくさんあるでしょうね。
私の高校の担任の先生は70歳をすぎられましたが、親の介護をされていらっしゃるそうです。
私の義理の叔母は姑、すなわち私の祖母にかなり厳しくやられたそうですが、 祖母の介護を20年くらい続けていました。
そんな先輩たちは私にとってよきアドバイザーでもあります。
何かあったら相談しよう、それくらいの気持ちでいてみよう(^^)
その後だけど自分が介護を必要としたらどうなるんだろう・・・