48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

映画鑑賞〜30年後の同窓会

 

今回観た映画はこちら。

 

前回同様スティーブ・カレルで検索してヒットした作品でした。

 

主演は他に2人。

 

ブライアン・クランストン。調べてみたら「プライベートライアン」「リンカーン弁護士」「コンテイジョン」「Argo(アルゴ)」と以前観たことがある映画にも出演していたようです。気が付かなかった〜。

 

ローレンス・フィッシュバーン。「マトリックス」のモーフィアス役で有名ですよね。

 

ティーブ・カレル演じるラリー・シェパード(通称”ドク”)が突然、ブライアン・クランストン演じるサル・ニーロンが経営するバーに現れるところから映画は始まります。

 

30年ぶりの再会に2人は夜を明かして飲みます。

 

ドクに「車で指定するところに連れて行ってくれ」と頼まれたサルは久しぶりの再会ということもあり軽く承諾します。

 

ドクが連れて行ったところはとある教会。

 

そこで説教をしていた牧師こそが、ローレンス・フィッシュバーン演じるリチャード・ミューラーでした。

 

この3人、ベトナム従軍の海軍仲間。

 

ドクの1人息子がイラクで戦死したため、その遺体を引き取りにいくので一緒に来てほしい、とドクが2人を誘ったことが30年ぶりの3人の再会につながったのです。

 

この映画は始めからじっくり味わってほしい映画なのであらすじはあえて紹介しないこととします。

 

私の感じたところでは、この映画はたくさんの要素を含んだ味わい深い映画でした。

 

・戦争

・兵隊が身近にいる生活

・友情

・家族愛

・人種差別

・軍隊の尊厳と規律

・心がつながること

・正直と嘘

・国家と個人

・宗教

 

アメリカに住んでいるとこれらのいくつかは当たり前の世界なのですが、日本に住んでいる我々にとっては当たり前で”ない”ことがいくつか該当します。

 

ウクライナ紛争で我々でさえも大きな問題意識をもつ戦争。「誰のために」命をかけるのか、国のため?名誉のため?戦死したドクの息子ラリー・ジュニアは「最後は”仲間を守ること”」と言っていたという。

 

冷たくなった家族が棺に入って対面させられる遺族の気持ちはいかばかりか。

 

短い時間だけどそういうシーンを丁寧に描写しています。

 

私にはそういったシーン描写が「なんのために戦争をしなきゃいけないの?」という問いかけにも感じます。

 

主人公の3人は海兵隊あがりなので、今でこそ普通のサラリーマン、牧師という顔をもっていながら、それこそ当時は羽目を外すことはたくさんやっていて、サルの奔放な言動に2人も徐々に心を溶かしていきます。

 

ただ本当に苦楽を一緒に体験した仲間同士には強い絆が生まれるものだということを、改めて感じます。

 

それは損得ではなく、生死に関わるほうがより深い。

 

葬式のシーンでは、儀式がもつ美も印象的でした。

 

とかく「儀式」というとネガティブなことで扱われることが多い昨今ですが、儀式は儀式でそれがもつ意味や歴史があり、それらを背景に見ることで感じられる美というものを私は感じます。

 

美には直接的な作用はなくとも、結果的に大きな力の源にもなりうります。

 

嘘にまみれた葬式は嫌だと、アメリカ軍人の名誉でもあるアーリントン墓地での埋葬を断り自宅に遺体を引き取るといってきかないドク。

 

嘘はいやだといいながら3人は大切な人に嘘をつきます。

 

でもその嘘はいけないことだったんだろうか、そこは観ている我々が問いかけられてる気がします。

 

 

 

原題はLAST FLAG FYING。

 

「最後の軍旗掲揚」という意味らしい。

 

最後のラリー・ジュニアの手紙のシーンでこのタイトルの意味がわかるかもしれません。

 

私の勝手な印象ですが、この映画は一つ一つのシーンがとても丁寧な描写をしている気がします。どのシーンもなにかテーマを感じさせられるのです。

 

それを3人の名優たちが見事に演じているのがいいですね。

 

コメディ系が多いスティーブ・カレルですが、今回ばかりはコメディとは一線を画した演技をみせてくれています。

 

いい映画でした。