48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書会〜「衰退の法則」

本日は読書会。課題図書は「衰退の法則」でした。

大きな事故や突発的な出来事があったわけでもないのに、「事業環境に適応できず、売上および利益の現象が一定期間継続する」企業(「」内は本文から抜粋)はどこにその要因があるのか、を役社員へのインタビューを通じて分析をしたものです。

巷によく見かける思いつきや感覚に頼ったハウツー本や啓発本とは異なり、論文として成立するくらいの客観性を重視している姿勢と、多くのインタビューの内容が紹介されていることもあり、大変生々しく、そしてぐっと引き寄せられるものがありました。

 

この分析では、「衰退する」企業と「優秀な」企業との間には組織や社風など共通していて両者の差が少ないという指摘があり、ちょっとした驚きを覚えました。つまり、よく耳にする「人事戦略はこうあるべき」とか「マーケティングはこうすべき」とか「組織改革はこうすべき」とか、衰退する企業でもやってるんですね。でも衰退する。行き着くところは「経営者の資質」。これは「今の経営者」だけを意味しているのではなく、登用、昇格されている人材をも含んでいます。

すなわち、「経営リテラシーがない、あるいは低いまま、業務オペレーションで成果をあげたからといって昇格していく」ことにより、経営者としての資質がない経営者が誕生することによって、会社の舵取りがおかしくなる、というものです。

 

この書では「実質創業者及びそのグループに意思決定権力が集中している」オーナー系企業とそうでない非オーナー系企業にわけて分析をしていますが、オーナー企業にいたっては会社の中身は殆ど同じでもオーナーの意思決定が環境変化に適応しているか否か、くらいです。かなり極端な解釈ですが・・・

 

私は以前より「会社のヒエラルキーで『偉い人』はいないはず」と言っています。組織上上司になることで、人事権含めた権限が大きくなることで、さも偉いような扱いをすることは珍しくありません。私からみたら、組織上のポジションはただの役割分担に過ぎないです。オペレーションとマネージメントとは仕事の内容が異なります。その内容によって責任範囲がかわってくるのもまた事実。そこには立場上の優劣はないはずです。平社員のエンジニアとその組織の部長。エンジニアは自分の専門性を発揮して技術的成果を目指します。部長は与えられたリソースを最大限に活かすマネージメントの成果を目指します。役割が違うんです。

 

私も社会人時代に経営のことを全く知らずに昇格していきました。業務を通じて学んでいったことはたくさんありますが、ビジネススクールで学び独立した今、その知らなさ加減がよりわかってきた気がします。今でもまだまだ・・・

「経営者の資質」って何なのでしょう。環境及びその変化を感じ取れることなのか。決断ができることなのか。最終的には「持っている資産を活用し企業を成長させる」ことが経営者の役割ですが、読書会で出たこの問いにしっかり答えられていない自分がいます。

衰退の法則

f:id:almater2014:20200510144157j:plain