岳南電車(がくなんでんしゃ)。
静岡県の吉原駅と岳南江尾駅(がくなんえのお)を結ぶ全長9.2キロメートルの小さな鉄道です。
先日ひさしぶりにウォーキングに出て(その様子は今週金曜日からまたご紹介します)、吉原宿から帰宅する時に利用したものです。
この車両をみて、愛着がぐ〜んとアップ(^^)
京王線井の頭線で利用されていた旧3000系を譲り受けて改造した車両なんだとか。
京王井の頭線で使われていた旧3000系は、全国で活躍しているそうです。
北陸鉄道・浅野川線、アルピコ交通・上高地線、愛媛県伊予鉄道、群馬県の上毛電気鉄道で走っているとのこと。
参考記事:
全国で活躍する京王3000系(旧井の頭線)を集めて勝手に同窓会を開催しました。 | 井の頭線沿線情報の「シブきち」
この運転席の窓のデザインは、井の頭線で走っていたものと同じ(たぶん(笑))という記憶があり、学生の頃を思い出しました。
岳南電車のホームページはこちら。
会社説明によると、鉄道事業は採算が厳しくなり富士市から公的援助をうけることになって、鉄道事業を管轄する「岳南電車株式会社」と、不動産など他事業を行う「岳南鉄道株式会社(こちらが元々の母体のようです)」に分割したんだそうです。
ホームページをみると、いろいろイベントをしかけたりして通勤・通学だけでなく観光にも力をいれているようですね。
鉄道の運営は、先日このブログでも紹介しましたが車社会が浸透し、新幹線の発達によって社会の変化もあり、ローカル線は特に厳しくなってきています。
JRでも廃線する路線がまだまだ出てきているのが実情です。
JRA西日本がローカル線ごとの収支を初めて公開しました。
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220411_02_local.pdf
100円の収支をあげるのに2万5千円以上経費がかかる路線もある、とのこと。
今から35年前の1987年に国鉄として公営運営だったものが、民間運営に切り替わりJRとしてスタートしましたが、その当時から利用客が大きく減っているのが直接的な原因です。
広島県の芸備線の東城ー備後落合間は、100円の収益をあげるのに2万6千円経費がかかり、1987年に比べて利用者が476人から9人と2%にまで落ち込みました。
1987年3月の時刻表(まだ国鉄時代)、備後落合に向かう東城駅の時刻表をみると、
6:36
8:02
11:12
14:24
16:30
18:30
20:20
22:03
と8本ありましたが、現在は、
5:46
13:39
19:04
の3本だけです。
時間をみてわかるように、以前あった通勤、通学の時間帯は現在一切走っていません。
ニワトリと卵ですが、本数が減れば利用者が減る、利用者が減れば本数を減らさざるをえない、という悪循環を感じます。
東城は広島県と岡山県の県境にあり、岡山県側の新見駅から広島駅を結ぶ芸備線の中継駅でした。
線路がある限りその路線のメンテナンスなど、運転だけでない費用がかかることは経営悪化の要因の1つかもしれません。
一方でローカル線がいろいろと観光を軸にチャレンジしている例は、いろいろとネットやメディアで目にすることも増えてきました。
ユニークな社長によって面白い企画を続々と提案してきている銚子電気鉄道。
ここは鉄道収支の赤字を他の兼業(物品販売)などで縮小させ、さらに国・県・市からの補助金を補填するという事業構造です。
鎌倉、湘南という一大観光地を背景にアニメの舞台など未だに人気の高い江ノ島電鉄。
現在は小田急電鉄の完全子会社(小田急の持ち株比率100%)ですが、年間数億円の経常利益を出しています。
レストラン列車など企画盛りだくさんのいすみ鉄道。
ここは鉄道運営収支は約2億円弱の赤字ですが、千葉県からの補助金によってほぼトントンの収支になっています。
さまざまな工夫で年間14億円の赤字経営を黒字経営に転換させた養老鉄道。
またJR九州もさまざまな企画で鉄道収益をあげているだけでなく、JRグループ内ではJR東日本に次ぐ規模の兼業収入があるなど多角化によって経営が改善されています。
いろいろな環境などもあり、一概に簡単に語ることはできませんが、電車好きの1人としては、少しでも多くの路線が残って地元、観光の足として活動してほしいな、と感じます。
それにしても岳南鉄道、ローカルっぷりがとてもよかったです(^^)
今どき珍しい硬券切符でした(^^)