48歳からの挑戦

47歳で脱サラ、48歳で起業したおじさんの奮闘ぶりをご紹介しています

読書会〜「平成デモクラシー」

 

平成デモクラシー史 (ちくま新書)

平成デモクラシー史 (ちくま新書)

 

 

昨日行われた読書会の課題図書は「平成デモクラシー」。日本経済新聞編集委員の著者が、取材や調査を通じて「平成の政治史」を綴ったものです。

 

どんな本?

著者は冒頭で「事実の記述を積み重ねていくが(中略)志はこの時代の俯瞰し、意味を与えることにある」と述べているように単純に羅列するのではなく、全体像をみる視点を常に持ち続けて、平成の政治の流れをまとめてくれている印象です。

 

私は平成2年に新卒で就職しています。1年浪人していたので、現役だったらまさに平成元年に就職していました。

 

平成の流れは私個人の社会人生活とそのまま重なるので、この本で紹介されている人物や事件などの多くはまだ記憶に残っています。懐かしい思いもあれば、そういうことだったのかと気付かされることも多かったです。

 

本書は第1章で現在の「安倍一強」と呼ばれている現状をおさらいし、第2章で平成2年の小選挙区制導入から時代を追って、小池旋風、総裁三選への画策といったつい最近のことまで網羅しています。

 

来年で天皇生前退位によって30年余りの平成が幕を閉じようとしている今、リクルート事件で竹下内閣が倒れて以来の平成の政治のまとめ、という視点で読むことができます。

 

ここをおさえる

著者はご自身の取材やかなり多くの参考文献を元にまとめているので、まずは流れを把握しておきたいところです。

 

 

これが私がざっくり感じた流れです。流れが捉えられるとなんとなく俯瞰できる気がします。

 

私がこの本を読んで感じた大きな影響を与えたキーワードは

 

 

でした。

 

小選挙区

小選挙区制はご存知のように1つの選挙区で当選者は1人だけ、という区割りです。それまでの中選挙区だと同じ選挙区で複数の当選者がいました。

 

中選挙区が選挙区の中で人気の高い順に当選するような仕組みだったのに対し、小選挙区になってから良くも悪しくも「Yes or No」を有権者に問いかける選挙スタイルが確立された気がします。

 

元々は英国風2大政党制を目指した小沢一郎が中心となって導入となった政治改革の目玉であった小選挙区制の導入。地滑り的な勝利があることから、選挙に勝った政党は大勝利して安定多数を得られる傾向があるようです。

 

平成の政治史においてこの小選挙区導入は大きく政治のあり方を変えた出来事であったと感じました。

 

首相の権限

戦後自民党が政権与党として長年君臨し高度成長期を演出してきましたが、内閣と自民党という2つの権力「双頭の鷲」体制が政治の中心でした。本来行政は内閣の責任ではありますが、組閣の際には与党自民党の派閥の力学が大きく影響してその人事に深く関わっていました。派閥が小さな政党のようでいわば自民党は連立与党のような体をなしていたようです。

 

従って首相といえども、与党自民党の意向、派閥のバランスに対しては常に配慮をしなければなりませんでした。

 

ところが首相が持っている権限「解散権」と「内閣閣僚の人事権」を駆使してこの仕組を壊したのが小泉純一郎です。彼の登場で派閥のバランスや自民党の意向というものは、世論を味方につけた首相の前にひざまずくことになります。

 

その時に首相が武器としたのが「首相の権限」でした。彼は安定政権を運営します。その後の首相たちもこの権限を駆使しようとしますが、現在の安倍晋三が首相になるまで、実は誰も使いこなせませんでした。なぜなのか。「権限」があるだけでは機能しないことをこの本は物語っています。

 

小沢一郎

この本を読むと平成の政治に彼は不可欠なキャストであることがわかります。

 

小選挙区制を導入して政治のスタイルを大きく変えました。

自民党を離党して新党を立上げ自民党による55年体制を終わらせます。

新進党党首として橋本行革に深く関わります。

自由党を立上げ自自公連立で与党に復帰します。

ポスト小泉では民主党と合流し後の民主党政権樹立、鳩山内閣に大きく影響を与えます。

 

民主党を離れてから存在感が薄くなってきた印象がありますが、それまでは「親小沢vs反小沢」という構図が所属していた政党で置き、それぞれ内部で緊張感を演出しています。

 

47歳で平成元年に党幹事長に就任。以来平成の時代で常にスポットライトを浴び続けてきた政治家のような気がします。彼がどのようにそれぞれの時期やできごとに関わっているか、という視点で見るのも楽しめると思います。

 

これから

来年には平成が終わり新しい年号が制定されます。私が生きてきた昭和、平成ではそれぞれ大枠の時代背景がありました。戦後に限定すれば、昭和は復興から高度成長、平成は成熟。そんな気がします。

 

事業ライフサイクルで言えば、昭和は「導入期」と「成長期」で、平成は「成熟期」といえるでしょう。そして今後来るであろう「衰退期」の大きな要因となる「高齢化社会」と「少子化」に対しどう向き合っていくのかが新しい年号となる時代の大きな課題です。

 

事業の場合は新しいポートフォリオを創生し、ドメインシフトをすることで新しい事業サイクルに乗る、というのがビジネススクールでの教えです(^^)

 

では日本にとって新しいポートフォリオとは?

 

私見ですが、昭和からの導入期から成熟期まで推移した事業サイクルは「経済」だったのではないかと思うのです。すなわり「経済」を軸とした生き方、社会というサイクルが衰退期に入ってくるのではないかと。

 

これからの新しいポートフォリオは、先日読んだ「お金2.0」で言っていた「価値」ではないかと思います。「存在する価値」「関わる価値」「生み出す価値」「消えていく価値」「大きくなる価値」「小さくなる価値」。

 

「経済」って「貨幣」に紐付いているので一意的な側面がありますが、「価値」は多面性が想定されます。

 

そんな新しい基軸を作り上げていく作業を政治的にどう活用していくのか、そんな視点をもっていみるのもどうかな、と思いました。