今回の課題図書はこちら。久しぶりに小説でした。
「島崎、私はこの夏を西武に捧げようと思う」
というセリフから始まるこの小説。
語りかけられた”島崎”という女子中学生が”わたし”としてこの物語を語り始めます。
本のタイトルとこの物語の入り方から、「成瀬という女性が破天荒に活動して日本中を盛り上げるようなことを、友人と思われる島崎という人物の視点で語られる」小説かな、と推測。
結果的にはこの推測はまったくあたってませんでした(笑)
確かに成瀬という女性は特徴のある人物だが、この小説は特徴はあるものの決して”特別”というわけではない女子中学生が、少しずつ成長していく姿を描いた青春小説、という印象です。
そしてそこに異なる世代と細くて薄い糸が絡んでくる構成が味があります。
読み終わってさわやかな余韻に包まれる気持ちいい作品でした(^^)
小説ではあるのですが、物語の舞台が滋賀県の膳所(”ぜぜ”と読みます)という実在する場所で、しかも実際にあった西武大津店の閉店というできごとなど、実在のできごとや存在に、虚構の世界をうまく織り交ぜた作品です。
2009年から大津市にお住まいで、若い頃作家をめざしていたらしいのですが、プロの作品に触れて力不足を感じて一旦断念したそうです。
コロナによって影響をうけている自分のお子さんと西武大津店の閉店をからめて創作意欲が湧いてきて本作品につながったとのこと。
私は物書きではないですが、ブログを11年書き続けてきて、なんとなく”書く”ことがライフワークの一つになってきた気がします。
ただ、こういったいい小説に出会うと、物書きの方々の文章力だけでなく、視点、発想、感情といったいろいろな要素が素敵だなぁと思います。
裏を返すと、自分は全然持ち合わせてないので、物書きにはなれないな、と(笑)
ただ、学生の頃や若かりし頃にほとんど読書をしなかった自分が、週一ペースで本を読むようになり、小学校のころは原稿用紙何十枚も作文を書いていながら中学になってぱったり書かなくなったのに、今こうやってブログを書いている、という変化が妙に面白く感じます(^^)
本を読むことによっていろいろな表現、視点、構成などを学び、少しずつでも”書く”という表現力につながってくると、書くことが楽しめるでしょうね。(^^)
たまにはこういうさわやかな作品も読んでみたいと思いました(^^)

